漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

しぼむ街で・その2

■卒業した小学校と中学校が合併して小中一貫の「義務教育学校」になるらしい。すでに札幌市には3校の配置が決まっているが、継続して増やしていくのだろう。なにせ札幌市(に限らないが)は子供の数が減っている。小学校の統廃合はもっと前から進められている。

■「誰ひとり取り残さない」つもりなら、小人数になろうと学校を維持すればいいと思うが、小規模校は、

  • 効果的なクラス替えができず人間関係が固定化する
  • 多様な価値観に触れる機会が限られる
  • 運動会や学習発表会など大人数で行う教育活動の効果が限定される
  • 配置される教職員も減るため学校運営に支障が出る

といったさまざまな問題があるんだそうだ(札幌市立小中学校の学校規模の適正化に関する基本方針より)。いまの学校でどれだけ多様な価値観に触れているのかとか、教職員配置は行政の問題だろとか、いろいろ引っかかるが、そうなんだそうだ。

■今後、子供は増えず、人口は減少すると札幌市は考えている。予想では2030年には人口が190万人を下回る。そのうち0歳~14歳は17万1000人。現在、21万4000人なので、4万人以上の減少になる。その後も人口は減り続け、2050年には160万人を割り込む。1980年代がそれくらいの規模だった。ところで、市長をはじめ招致に躍起になっている2030年冬季五輪は札幌の人口を増やすのか? 北海道新幹線の延伸は?

■まあ、増えればいいってもんでもない。街の規模はどの程度が「適正」で、オリンピックや新幹線延伸がどうそこに関係するのか。札幌市の考えやいかに、ということです。秋元市長はオリンピック招致について「次の世代を担う子どもたちに夢や希望を与えるため」と説明しているが、教育にかける金を減らして「次の世代」って言われてもな。