■フリースクールで起きたスタッフから利用者への性加害事件。被害にあった女性は、自分のような苦しみを背負う子供をもうひとりも出さないでほしいと、子供にかかわる施設、団体へ向けた「再発防止のための安全対策17項目」を提示した。
- 大人と子どもは対等ではなく、圧倒的な力の差があるのだということを理解したうえで関わる
- 利害関係のない人達で構成された第三者委員会を設置する
- 第三者委員会はスタッフや子どもに対する性暴力の研修・ワークショップを決定・意見・助言する
- 第三者委員会が選んだ外部の相談窓口の体制を整備する (子ども用・スタッフ用)
- 性虐待を防止 -根絶するため、この安全対策の検証も定期的に行う
- 第三者委員会の選んだ外部の講師による人権研修を定期的に受ける (スタッフ.・子ども・.保護者等)
- 子どもがSOSを出しやすいようスクールカウンセラーを配置する
- 被害に遭わないために、また、被害に遭ってしまった時にSOSを出せるよう、子ども達がいつでも手にとれる場所に性暴力に関する書籍を複数置いておく
- 入所時に外部の相談窓ロのリーフレット一式を渡し、トイレや璧など施設内の各所に常に配置しておく
- 業務外の個人的なやりとりは禁止する
- 大人と子どもが対等ではないことを自覚できないまま行われる宿泊行事 (イベント) は両者にとって危険である為、実施しない
- 既に外国で取り入れられているように、採用時に性犯罪歴の有無を確認し、有れば採用しない
- 子どもに対する性暴力を含めた、性暴力防止規定を作成し、就業規則を整備する
- 被害の疑いが出てきた時点で、組織は隠蔽せずきちんと調査し、被害者が守られるように努める。加害者が被害者と接触しないよう加害者には自宅待機命令等を出す。調査の間も被害者が望めば変わらず通えるように環境を整える。
- スタッフが加害した場合は懲戒処分にする
- 加害行為が起きた場合 「加害者個人の行ったこと」とトカゲのしっぼ切りで済まさず、組織の意識や構造の問題でもあるという意識を持つ
- 調査の結果、加害の有無に関係なく再発防止策を講じる
■この17項目を日本版DBSに対応させ、具体的な行動指針を盛り込んだマップを作成した人がいる。マップは公開され、出典を表示すれば複製、改変、配布は自由だ。

■子供の居場所はどんどん増えている。一方で安全対策は置き去りだ。これでは同様の被害が起きるおそれがある。どうにか全体をカバーする仕組みをつくれないかと行政や弁護士会などと話し、うまくいかず、自身の能力のなさに歯噛みしていたのだが、このように示せばよかったのか。大きな仕組みに頼ることなくとも、子供の安全と権利を守るため、どの団体でも、どこからでも始められる。それらが積み重なればそれだけ安全対策を提言した女性の願う社会に近づく。
■そもそも安全対策はフリースクール側が示さねばならないことだった。それを怠り、被害者にいらぬ負担を強いた。その後もはかばかしい動きを見せていない。今回の「子どもの居場所の安全対策マップ」こそ率先して取り組み、また広めてもらいたい。まずはリンク先から全体を読んでほしい。もちろん、子供にかかわるほかの団体も。


