漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

硝子坂

高田みづえのデビュー曲「硝子坂」。


硝子坂  高田みづえ

いじわるな あなたは
いつでも 坂の上から
手招きだけを くりかえす
私の前には 硝子坂
きらきら光る 硝子坂

■中学生のころは(ファンだったのです)いまいちピンと来ない歌だったんだけど、昨日なにげなく口ずさんで、「ああ、こういう人いるなー」と思った。一段高いところからこっちにおいでと言うだけの人。でも、その坂はガラスでできていて、見栄えこそいいけれど、もろいし滑るしとても登れない。悪気はないから無理を言っていることに気づかないし、手を貸すなり自分から降りるなりする発想もない。

■俺がピンと来ていなかったのは、自分自身がそういうタイプだからだろう。すこしはマシになったと考えていいのかな。しかし、ひさしぶりに聞いたけど高田みづえは歌がうまいね。

しんとした世界

■20代後半、二年くらい教材会社のアルバイトをしていた。教材を買った家庭に勉強を教えに行く。車はなかったので移動は公共交通機関。帰るときにはバスがないということもざらだった。

■最寄り駅までは徒歩で40分。外は吹雪。フードを目深にかぶり、つもった雪を漕ぐ。雪が音を吸収して、あたりはやけに静かだ。靴が雪を踏む音だけが聞こえる。

■雪のなかをただ歩いているとだんだん頭がしびれてくる。雑音が消え、雑念が消え、それでも奥の奥の方でやっぱりなにかを考えている。

■いくぶん感傷めくが、あの時間が好きだった。20年たって、あのときなにを考えていたかすっかり忘れてしまったが、誰に抗するわけでもなく、誰に伝えるわけでもない。ただ自分のために自分のなかから出てきた言葉をつむぐ。その体験は単純に気持ちよかった。

■いや、むかし話にする必要はない。また雪のなかに踏み出せばいい。あのしんとした世界への入り口はいまも開かれている。自分がめんどうくさがって歩かなくなっただけで。

■こんな気持ちのときに読みたくなるマンガ、吉田聡の『七月の骨』はどこへいってしまったのでしょうか。誰かに貸したんだっけか。もうあきらめて買おうかな。

七月の骨 コミック 1-6巻セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

七月の骨 コミック 1-6巻セット (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

  • 作者:吉田 聡
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/05/30
  • メディア: コミック

ゴミはどこからやってくるのでしょう

ティッシュやペンなど、子供に触られたくないものは子供の手が届かない高さ90㎝くらいのキッチンカウンターの上に置いていたんですが、最近は棒のおもちゃを使って上に置いてあるものを取るようになりました。なので(「知恵がついてきやがったぜ…!」)みたいな事を思いながら、日曜日にホームセンターで板を買ってきてグルっとキッチンカウンターの周りを囲って柵を設置。これで一安心と思いつつも、子供が踏み台を持ってくる日はそう遠くない気がして次はどうしようかと考え震えています。

■タイトルはhitomiの「LOVE 2000」の「愛はどこからやってくるのでしょう」のリズムに乗せて。気がついたら家の中を掃除しながら口ずさんでいました。ちょっと自分で言ってて面白かったので。掃除しても掃除してもゴミが出てくる。

本物

■皆さんこんにちはボラスタの山川です。雪が増えました。

■最近「新世紀エヴァンゲリオン」を一挙に見ました。昔に新劇場版を見たっきりアニメがあったのをしらずhuluで配信されていたので見てみました。正直、用語が多くて理解が追いつかなかったです。ただ分かったのは、自分の中の自分、ただ知り合いの中にいる自分、どちらも本当の自分である事は確か。でも明らかに違う言動、行動だったりをしている。本物ってどっち? 価値ってなに? みたいな事を問いてくる物語だったなと思いました。大人と子供、男や女、他人と自分、などを顕著に出ていました。オススメです。

エヴァを見る前、そして見た後だと物事とか自分の見方とかが割と変わっていたかなと思います。ではまた。

後志にも行った

■昼前に漂着教室に行き書類作りをしてから、仁木町は銀山学園へ打ち合わせにゴー。ようやく冬だったことを天気が思い出したように、突然雪が積もった。後志の学習支援の打ち合わせで、また新しいケースが来てうれしくもあり、色々な人の力を借りながらやっていくことになりそうです。

■戻って、少し休んでから、知り合いを誘って中華の辛い鍋もの「ラータン」を食べようと思ったら、二軒回ったどの店も休みで仕方なく餃子に変更。なかなか美味かったのでよし。その後夜勤仕事。(火曜日)

手錠をかけたがるのさ

■子供のゲーム時間を規制する条例を香川県が検討している。「ゲーム依存」対策をうたい、18歳未満は一日のゲーム時間を平日で60分(休日は90分)に制限。中学生以下は21時、高校生は22時までにやめさせるよう保護者に求める。罰則規定はなく、4月の施行を目指している。

■これを受けてか、今度は大阪の松井知事が子供のゲーム利用を条例で制限してはどうかと市教委に注文を出した。
jp.ign.com

■2006年11月、当時の文部科学大臣伊吹文明教育基本法における「不当な支配」について、「国会で決められた法律と違うことを、特定のグループ、団体が行う」ものを指すと説明。一方、法律や政令、大臣告示などは「国民の意思として決められた」ため「不当な支配」にはあたらないと強調した。

教育基本法が改正されたのがこの年。「不当な支配」について、もともとは「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきもの」とされていたのが、新教育基本法では「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」へとあらためられた。

■また、あらたに「家庭教育」の条文が追加された。「子の教育について第一義的責任を有する」のは保護者であり、「生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」と努力義務を課した。

■さて、これらのことを踏まえ、もう一度香川県大阪府の動きを見てみよう。

  • ゲーム依存は子供の心身の発達に影響がある
  • 子供のゲーム利用を条例(法律)で制限する
  • 教育は法律に従っておこなわれる
  • 教育には家庭教育も含まれる
  • 保護者には子供の心身の調和のとれた発達を図る務めがある
  • 法律に従わないことは教育への「不当な支配」にあたる

罰則規定がなくったって保護者が追い詰められるのは必至だ(ちなみに努力義務は対応を怠ったり、正反対の行動をとった場合、行政から指導が入ることもある)。教育機会確保法によって「休養の必要性」が認められたというが、あの法律での「休養の必要性」はあくまで「当該不登校児童生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう」、不登校児童生徒と保護者に「必要な情報の提供、助言その他の支援を行う」ためのものだ。むしろ介入を後押しする。実際、大阪府でゲーム規制が提案されたのは「不登校を減らすため」だ。

■ご丁寧に、教育基本法は学校と家庭、地域住民の連携協力まで定めている。NPOももちろん地域住民で「教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努める」ことを求められる。それにゲームの使用制限に反対する居場所事業があったとして、法律と違うことを特定のグループ、団体がおこなえば教育の不当な支配なんだぜ。

■まったく、やれやれだ。それではここで一曲お聞きください。頭脳警察、1972年のナンバーで「ふざけるんじゃねえよ」です。


ふざけるんじゃねえよ / 頭脳警察

ボーっとしてると、こうやってどんどん縄がかけられていく。気づいたときにはもう身動きできやしない。クソッタレ、馬鹿野郎、満足だろう。悪態もどこか遠吠えの感がある。