■一条校以外の教育機関も「学校」と認められ、いろいろな教育手法や学び方を選べるのは、大筋では賛成だ。古山さんの本によれば、学校設立の自由がある国でもそれら「一風変わった学校」へ通うのは全体の一割程度で、噂されるような「公教育の崩壊」はおそらく起こらない。もちろん「選ぶ」ためには地域や経済事情などさまざまな条件があって、「多様な教育」の保障を目指すなら、教育費無償や年齢主義、就職に至るまで、教育の分野以外でも障壁となる構造を変えていかねばならない。そのあたりのことは、フォーラムでも研究者より指摘されていた。
- 作者: 古山明男
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/06/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
■フォーラムには定員を大幅に上回る300名以上の参加者があったらしい。初日の数字なので、二日間の延べ人数は600人を超えるのじゃないか。アドラー心理学やワールドカフェが俺の好みじゃなかったというだけで、企画自体は大成功と言っていい。現在の教育の枠にとどまらない「多様な教育」への期待がうかがえる。
■気になる点がひとつ。外国人学校や夜間中学校の名前が今回はなかった。どちらも教育機会確保法の対象のはずが、どうしたのか。フリースクールみなもの活動報告で、不登校の子供たちが通うフリースクールを「福祉部門」、高認サポートや塾を「教育部門」と分けて説明していた。言葉が妥当かはわからないが、言いたいことはわかる。フォーラムも教育部門の研鑽に偏って、不登校と外国人学校、夜間中学が置き去りになっているのではないか。
■これらを含まねばならないということではない。2月5日に書いたものと同じ、足場をきちんと整理しましょうという話。