漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

第二回JDEC日本フリースクール大会 その3

■2日目は持ち込み企画に参加。福島の「寺子屋方丈舎」と長崎の「クレインハーバー」が持ち込んだ、フリースクールを持続的に運営するには、という話しのワークショップだった。予想していたファシリテーションとは全く違って不満も残ったが、考えるヒントはもらえたのでそれについて報告。ポストイットに書いて貼ればファシリテーションじゃないのよ。

■方丈舎では「不登校等への対応におけるNPO等の活用に関する実践研究事業」を文部科学省から委託され、フラワーショップを運営していたが年限によりそれもなくなり、今は地域と協働で梨の栽培・販売を行い収入の一部にしているとのこと。財政がきついのはどこのフリースクールも変わらないが、助成金を補填ではなく投資として運用することが求められると実感した。委託の間に地域と繋がっていると、そこを基盤にした運営ができるということだ。

■方丈舎の江川さんは昨年視察に行ったドイツの教育状況についてスライドを使って報告もしてくれた。10才から一般教育と職業教育の進路選択が始まるにも関わらず若年者失業率の高いドイツでは、年齢に関わらず青少年局が一括してドロップアウトしている青少年の支援を行っている。その支援は全て民間に事業を下ろし、政府はそれを援助するという形になっている。ぼくらが常々市教委などに言っている、適応指導教室の指導員や教員の訪問に関わらせろというのが実現しているような環境ですな。

■ドイツの状況報告の中で、問題を持つ子供について関係者が集まる「円卓会議」が開かれているという報告があり、日本ではこんなのが無いと話されていることには意見した。それは漂流教室なら一ヶ月に一回以上はあるケース会議だ、と話したら「そういう先進的事例はどんどん進めてください」と言われ違和感を覚えた。自分たちもうらやましがってないでやればいいのにと思う。

■長崎のクレインハーバーがやったワークショップは「フリースクールは何を求められているか」というタイトルのものだったが、「誰に」というポイントを押さえずに話しが進んだので、フリースクールをやっている人たちの希望を語るものに変わってしまった。参加した人の中では「フリースクールは、人が安心して社会や他人と関わり、変化できる場として求められている」と思いたいようだとまとめることができた。確かに漂流教室にも当てはまるし、なかなか素敵な願望だと思う。