漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

千葉長野

■千葉県で「不登校児童生徒の教育機会の確保を支援する条例」が全会一致で可決されたそうだ。まだ条文を見ていないのでなんとも言えないが、ろくなもんじゃないだろうと踏んでいる。千葉県のフリースクールネットワークが制定に尽力したそうだが、どうしてそんなことになったのか見解を聞きたい。

■長野県ではフリースクールの公的認証制度をつくる動きが起きている。フリースクール公的補助の一斉請願も長野発だったが、なにか関係しているのか。アンケートの中身は公開されているので見てみた。

■はじめは職員数や利用者の人数、学年、在籍校との連携状況や財政など実態調査の項目が続く。その後、公的認証制度を設ける上でこのような要件が入ることに賛成か反対か意見を求める。たとえば、

  • 施設は県内にある
  • 法人格を持つ
  • スタッフの資格
  • スタッフひとり当たりの受け持ち児童生徒数
  • 児童生徒ひとり当たりの面積要件、設備要件
  • 学習計画の内容

などなど14項目が並ぶ。なるほど、こういう点を気にするのかとはっきりわかる。要件とするかどうかは置いといて、団体の見直しにつかうのは有効だ。避難経路、防災講習といった安全面の課題や、「子どもの権利やこども基本法に関する研修等を受けている」なんて項目もある。

■その後は自由記述。「望ましい支援」と聞かれて、サッと答えられないなと思った。イヤなことははっきりしてるんだけどね。このアンケート、そのまま北海道フリースクール等ネットワークでやってみようかな。どんな結果が出るだろう。

フリースクール運営者や不登校児童生徒の保護者から選んだ検討委員で一年間検討して決める。「公的認証」自体は警戒しているが、進め方にイヤな感じはあまりない。とはいえ、

県では、子どもたちにとって多様な学びの選択肢を確保するとともに、一人ひとりの子どもの特性や状況に応じた質の高い学びを継続的に実現していくために、新年度に、フリースクール等に関する公的認証制度の創設に向けた検討を進めることとしております。

検討にあたり、フリースクール等の現在の運営・活動状況(児童生徒への支援内容、支援方法、人員体制、在籍校との関係等)を共有し、かつ、公的認証制度を検討する上で想定される論点に対する皆様の率直なご意見・ご要望を把握させていただく必要があると考えており、今回、アンケート調査を行うものでございます。

認証制度の検討にあたりましては、皆様からのご意見を踏まえるとともに、フリースクール等の持つ多様性や自主性、自由な雰囲気を損なうことのないよう最大限配慮してまいりたいと考えておりますので、調査へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

■長野県のサイトにはこうある。「質の高い学びを継続的に実現する」ための認証制度で、やはり「学び」が核になる。「休み」はどこへ。「フリースクール等の持つ多様性や自主性、自由な雰囲気を損なうことのないよう最大限配慮してまいりたい」にどこまで期待できるか。