漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

草津市の例

■リンク先は途中までしか読めないが、滋賀県草津市不登校の小中学生を対象にフリースクールの利用料を助成するという記事。団体ではなく保護者が助成対象となっているのが特徴。

www.kyoto-np.co.jp

■どんな内容なのか、草津市の予算を見る。「未来を担う子ども育成プロジェクト」の一環で、総額192万円。うち10万円が事務費、残り182万円が補助金となる。

  • 不登校により、学校を概ね年間90日以上欠席している児童生徒の保護者
  • 市が認定するフリースクール等の民間施設に通う児童生徒の保護者

のふたつを充たすことが条件で、生活保護受給対象者は100%、就学援助給付対象者が75%、それ以外は50%の補助となる。試算ではそれぞれ1名、2名、8名に補助予定。フリースクール利用料は月額40,000円に設定してある。

草津市策定の「子ども・若者計画」によれば2018年度の不登校児童生徒数はおよそ190人。小学生の増加が著しい。「不登校、ひきこもり等長期化する課題への対応」として「社会生活に困難を有する子ども・若者やその家族への支援」を挙げており、それで保護者への助成という形になったのかもしれない。ほかに「子どもの居場所づくり事業」として「TudoToko」というスペースの運営をNPOに委託している。

フリースクール、というか不登校の子をサポートする仕組みがぼちぼち出てきた。これ自体はいいことなんだろう、おそらく。草津市の補助制度には事業の概要として、

文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について」(令和元年10月25日)の通知内容を踏まえ、市がフリースクール等の民間施設を利用する児童生徒の保護者に対して補助金を交付することにより、不登校の子どもたちの居場所を確保し、社会的自立を促すよう支援するとともに、保護者の経済的な負担の軽減を行います

とあり、これまでこの日誌でさんざんくさしてきた文科省の通知にも一定の効果はあったようだ。

■一方で気になるのは「市が認定するフリースクール等の民間施設」というところで、これがどんな要件になるのか確認が必要だ。要綱の検討、制定はこれからだそうなので、気にして見ていこう。

■以上、茂木さんの代打で相馬が書きました。ではでは。