漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

何も聞いてこない大人

◼️「小さい頃から通っていた美容室があったけど不登校になってから行けなくなった」という話を聞きました。それは「最近学校どう?」とか「卒業したらどうするの?」という質問をされたらどうしようと想像してしまうから。「元気だった頃の自分を知っているから昔からの知人に不登校になった自分を見せられない」、それは、なんとなく分かる。私も一時期痩せていてそして太ってからは、痩せていた時を知っている友達に会うのが怖かったよなぁ。「太ったね」と言われるのが怖かったし腹が立つし、今の太った自分を見られたくない。記憶の中であの時の自分を美化しているのもある。その時の気持ちとどこか似ているのかもしれないなぁと思いました。今私が昔からの知人と会うのが怖くないのは、痩せていた時の記憶が大分薄れているからだとも思う。

◼️聞いたらダメなわけじゃない。寧ろ「どうして聞いてこないの?」と思うかもしれないし、あえて突っ込んで欲しい時もあるけど、相手が隠そうとしている事はなんとなく伝わる。だから、長年会っていようと進路のことや見た目の変化、環境の変化を何も聞いてこない大人が一人ぐらい身近にいたっていいじゃないかと思いながら、訪問先の子の「昨日卒業式でした」という言葉に「おめでとう」とだけ言ってきた今日