漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

動いてどうなる

■先週金曜に触れたフリースクール利用補助一斉請願の続き。

hyouryu.hatenablog.jp

うまいなと思うのは、経済支援をせよと自治体に迫るのではなく、政府への要望書を要求した点だ。当面、自治体の腹は痛まないし、国が動けば受けるにせよ断るにせよ根拠ができる。なかには支援したいが金がない自治体もあるだろう。今週、道教委へ行ったが、荷物とロッカーに埋もれて仕事しており、いろいろ切り詰めているんだろうと思った。議員会館じゃなく道庁を建て替えたらよかったのに。

■地方から多くの声が上がれば動き出す議員もいるだろう。フリースクール議連は「超党派多様な学びを創る議員連盟」と名前を変え、「学校外で学んでいる子どもたちへの幅広い支援の拡充」を目指している。地方の声によって国が動き制度ができて万々歳となるか。

futoko.publishers.fm

■国が動くなら一定の制度をつくることになる。さて、教育機会確保法でもめにもめた「個別学習計画」は消えたのだろうか。子供を学校へ行かせなくても、学校教育法第21条の10項目を満たす個別学習計画の提出をもって就学義務を履行したとみなす。以前に日誌に書いた。

hyouryu.hatenablog.jp

個別学習計画を出せば就学義務履行と「みなす」。では、出さなければ義務不履行とみなされるのか。子供の学習権保障を訴えたはずが保護者の義務履行に変換される。そもそも、学校教育法第21条の10項目に沿った時点で自由な教育にはほど遠い。設備と人員は足りないが縛りは従来どおりの「学校」が増えるだけだ。

■個別学習計画は消えたのかなんて言ったが、消えていないのは明白で、「個別最適化された学び」に名前を変えすでに始まっている。保護者の声を受けた形でダメを押されるのは勘弁願いたい。そもそも、権利の保障を訴えるのに教育機会確保法を持ってくるのはズレているのよ。わざわざ「多様」と「保障」を削ってつけた名前を持つ法律なんだから。