漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

路上生活者人数調査と不登校

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■日曜未明、上記の路上生活者人数調査に参加した。自分は中島公園を歩いてから、市内の駐車場を周り、車中生活をしている人の調査をした。

■長期間路上生活をしている人への支援は、実は漂流教室がやっている訪問と似ている。これは「労働と福祉を考える会」の代表とも話していることだが、毎週ちょっと顔を合わせて関係性を作っていくやり方は漂流教室の訪問とそっくりなのだ。対して、今後予想される新しく路上生活になった人への支援は問題解決型のアプローチを本人も望むだろう。これは漂流教室も「労働と福祉を考える会」も基本的な対応ではない(応用的にはあってやってないわけじゃないけど)。記事の中に今後路上生活者が増えるのではないかという話があったが、それはありえる話だと思う。それに対しての問題解決型の支援を拡充することがこの後求められるが、現在の困窮者自立支援制度への支援はまだ足りない。

■さて、自分のやっていることに引き寄せて考えれば、この数年間不登校児童生徒数が増加しているわけだが、路上生活者への対応の如く早期の原状復帰を目指すという対応を強めることはしない方がいいと思う。路上生活者の場合は安住していた生活を追われている人の増加だが、不登校の場合は安住できる時間・空間を求めての増加だからだ。子供の居場所を学校外に設定していない社会の仕組みを変えて、学校に行かなくても育ちが保障することが必要だろう。教育機会確保法はそした理念があったはずだが、そこで保障しようとしている教育が学校準拠であるかの如く運用されているけれど。

■近々、札幌市の不登校対策連絡協議会が開かれる予定で、その案内には不登校の早期発見・未然防止に役立った事例を募集していた。札幌市がやろうとしているのは、路上生活者増加への対応に近い気がしている。それは違うよ、という意見を送ろうと考えている。(水曜日)