漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

漂流通信も見てね

■24万人となった不登校児童生徒数については、通信に書いたので転載。ちなみに漂流通信は
漂流通信 - Google ドライブ
ここからバックナンバーも読めるので、ひまな方は読んで見るといいです。20年分、ほぼあるから。

■2021年度の不登校児童生徒数の調査結果が10月27日に出ました。昨年(2020年度分)19万人だったので、20万人を超えると予想はしていたものの、結果は驚きの24万人超え(244,940人)でした。また、北海道は10,582人、うち札幌は4,239人が
不登校でした。左図は平成3年からの全国の不登校児童生徒数増減グラフですが、急激な増加が見て取れます。

不登校児童生徒数は1997年度に10万人を突破してから、2016年度までは12〜13万人台を上下していました。それがこの5年で2倍になったことがわかります。中でも、今回の増加率は統計上抜いて多い24.9%です。

■ただ、この調査は理由別長期欠席者を調べたものです。不登校以外に「病気」「経済的理由」「コロナ感染回避」「その他」という項目があります。これをすべて合計すると、41万人超え(413,750人)です。中でも、「その他」には・保護者の考え方で学校に行かない・不登校認定の30日に満たない欠席だが、出席停止等の休みを加えて30日になったなどにより不登校とカウントされていないという人など様々な理由で休みになった5万人以上(52,516人)が入ります。現場では不登校として扱われている事例が相当入っているのではないでしょうか。

■これほどの増加を受けて、文科省が動かないわけはないでしょう。今後、学校復帰に向けての圧力が俄然高まるのではないかというのが、率直な感想です。公が大きく動けば、民もそれに合わせて動くことになるでしょう。果たして、その時にこれまでの民間のフリースクールのやり方がどれくらい支持されるのか。

■また、ちょうど不登校増加のスタート時期と考えられる2016年に成立した教育機会確保法以降に生まれてきた、不登校児童生徒を対象にした学習サポート・学校復帰を謳った新たな「フリースクール」や学習支援団体と文科省がどういう関係を構築していくのかも気になります。学校復帰を目指さなくとも個別学習して社会的自立させるというルートで子供と家庭に介入しようという動きが休みを欲する個人とどうぶつかるか。これも気にかかります。

(水曜日)