漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

禁煙をお手本に

■大掃除をしていて、もうそんなに吸わなくなっているタバコの灰皿を綺麗にした。よく見るとミスタードーナツの灰皿ではないか。いつどこで手に入れたのだか、とんと覚えてはいない。昔はミスドに限らずファストフード店、ファミレス、食堂、街中の至る所でタバコを吸えた。金曜日の宴会中にだらだら見ていた動画では、飛行機の椅子に灰皿が付いていることに驚いていた。列車でもバスでもあったし、職員室はもうもうと煙が立ち込める場所だったよ。来客には灰皿とマッチやライターを出すのが礼儀だったよな。

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ミスド灰皿

■調べたら、昭和の間は男性の喫煙率が80から70パーセントなのが普通で平成入る頃に60パーセントくらいなのだから、男性中心の世の中ということもあり、タバコを吸える世の中だった。健康問題がフォーカスされてきたのは、肺がんと喫煙の関連性がニュースになった頃で、柳田邦夫の「ガン回廊の朝」なんて本もうちにあった。あれは80年代頭か。

■それから40年で、世の中は思い切り変わった。今は男性の喫煙率で30パーセントを切っている。JTの喫煙率調査は2018年で終了している。禁煙の流れが決定的になったから調査が無意味と企業として判断したのだろうか。今年は「改正健康増進法」で色々なところで喫煙不可になった。漂着教室が入っている市民活動プラザ星園もそうだ。スタッフでもタバコを吸う人は苦労している。

■さて、人口の80パーセント以上が当然と思っていて、マナーにまで昇華されている社会常識や文化も40年足らずで変わるというのは、とても勇気づけられませんか。やっぱりこれは不登校から見える教育の問題に応用できると思うんだよな。禁煙の歴史を調べることで、日本の社会課題を解決するときのモデルを抽出できるんじゃないか。(火曜日)