漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

もしやプリウス

■車は言うことを聞かないという刷り込みがある。回転数を合わせなければスムーズにギアが入らない。なんならエンジンが止まってしまう。アクセル、ブレーキの利きにクセがある。ハンドルは重い。暑くても不機嫌、寒くても不機嫌。個体差を時間をかけてつかみ、慣れ、慣らしていく。

■それも今は昔と思っていたのだが、このあいだ最新のプリウスを運転したら、別の意味で頑固だった。とにかくラインをまたぐのを許さない。ちょっとでもはみ出ようものなら「ピーピー」と警告音が鳴る。違うんだ。カーブはアウトからセンターへ入りたいんだ。そんなこちらの都合は一顧だにしない。そのうち、ずいぶん車線をはみ出している、疲れてるんじゃないか、休憩したらどうだと忠告してくる。

■親切に、この先にカーブがある、一時停止がある、踏切がある、右折専用レーンがある、左折専用レーンがあると教えてくれるが、そんなの全部見えている。オービスの前では一定の速度以下に減速するまでずっと警告音を鳴らし続ける。強要した速度でオービスを通過するとチャラランとレベルアップしたような音がするが、もちろん実際はなんのレベルも上がっていない。静かなのはエンジンだけ。車内では口うるさい。とんだ内弁慶だ。

■そのうちこっちも慣れて、「はいはい、カーブだね」「大丈夫、オービス見えてるよ」「ライン越えてたねー。すぐ戻るね」とおざなりな返事で済ませるようになる。幼児をあしらっている気分だが、車は車で指導者(車?)的役割を手放そうとしない。運転を終えると、なかなか経済的な運転ができていたとか、エアコンの使い方は悪くないとか、いちいち評価する。基本はほめてくれるのだが、だからもっとやれる、もっと頑張ろうと続いて、終わらないノルマを課せられているようでツラい。

■おそらくこの頑固さは変わらない。常にセンサーに忠実に、前方にカーブがあると報告し、ラインを越えたと指摘するだろう。でもさ、そういう子っているよね。気づいたこと、気になることを全部口にする。というか、いつも仕事で会っている(生返事に気がとがめたのはそのせいか)。なんだ、あいつらプリウスだったんだな。しかもフル装備の。ちなみに「プリウス」とはラテン語で「先駆けて」という意味なんだそうだ。そうか、向こうが先駆者か。こっちは追っかけてく側だった。

■ただ、ちょいと困るのが、なんでアラートが鳴ってんのかわかんないことがちょくちょくあるんだよね。そこまで追いつくことができるのか。願わくば俺にもわかるレベルまで降りてきてほしい。まあ、いまのままでも異文化交流的な楽しさがあっていいけどね。