漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

新コロと不登校

■気づいたら三月が終わる。この一ヶ月はコロナに始まりコロナに終わるといった様相だった。ホームレスの夜回りの中では、飲食店で閉まっているところが多くなり食事がもらえないという話を聞いた。またある筋からは、ハローワークでこれから就労に向けて動こうとした失業者が出鼻をくじかれたという話を聞いた。政府は色々な人に支援策を検討しているけれど、多分どちらのケースでも支援策は無いのだろう。一旦ことが起こった時には弱いものから順に被害を受けていく。学校がそもそも持っている何らかの圧力に耐える力が弱い子供から順に不登校になっていくのと似た構造の苦境が、全国民に襲いかかってきている。

■それはコロナウイルスによる直接の健康被害では無く経済的な被害としても現れない、しかし個人が生きる力を大きく奪われるという前例の無い苦境だ。これによるコロナ関連死とでもいうものがこれから出てくるのだろう。世の中では今回の流行を戦争に喩えて対応しようとしている(特にこの国の為政者はそれがお好きなようだ)が、大鉈を振るう時に巻き添えになる者が出てしまうことを、人が傷つき死ぬことを当たり前のものとする状況を使って語ることで抵抗感を無くそうとしているように思えてならない。

■そして、漂流教室の利用者である子供もこの巻き添えになる者の代表例だ。今月の休校宣言だって、子供の意見など聞かれてはいない。そんなことを悠長にしている場合ではなかったということは百も承知の上で(ちなみに、当時より感染者が増えているこの後休校解除になるのは不可解だ)、それでもなお、元々子供の意見表明権が日常的に尊重されていなかったから可能な措置ではなかったか、と問いたい。改めて、漂流教室の活動は権利擁護を軸にしていこうと思う次第。それはこれからの数年間特に必要なことだろう。(火曜日)