漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

休みが足りないのでは?

■今日から5月。ということで、ここしばらくのごちゃごちゃをまとめてみました。

  • 2月26日に鈴木北海道知事が「緊急事態」を宣言。道内の小中学校に一斉休校を要請。札幌市は当初、3月6日までの休校を予定していたが、ほかの自治体にあわせ3月13日まで休校となる
  • 2月27日、安倍首相が全国の小中高校すべてに3月2日から春休みまでの休校を要請。鈴木知事も即座に呼応、春休みまでの休校が決まる
  • 4月6日より新学期が始まるも、道内の感染者は減らず、4月12日、札幌市長と北海道知事が共同で会見、札幌市内の小中高校および近隣の高校の休校を要請する。期間は4月14日から5月6日まで
  • すでに特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県を対象に出されていたが、4月16日、全国に拡大が決定。全国の小中高校が5月6日まで休みとなる

■そしていま。緊急事態宣言は一か月程度の延長となりそうです(とりあえず学校は5月10日からスタートにするらしいです。微妙な延長)。9月入学案まで浮上してきました。

■はじめは3月中旬まで。それが次は新学期まで。GWが終わるまで。6月になったら。9月からなら。なんか既視感があると思っていたんですが、わかりました。不登校でよく見るパターンに似てるんだ。

■新学期になったら学校に行くと決め、4月にちょっとだけ通っだけどすぐ行かなくなり、GWが明けたら行けるだろうか、二学期になったらどうかとまわりも本人も思い悩む。延期されるたび浮き沈みする休校明けへの思いと、来週になったら学校へ行けるかも、という不登校の心の揺れとは似ていませんか。

不登校界隈に伝わる言葉で、「休みが足りない」というものがあります。学校に戻るにしても十分に休んでからじゃないと、またすぐ休むことになる。学校からしっかり離れることで気持ちが落ち着き、これからを考えられる。いつになったら行けるかと学校を気にしているうちは、なかなか不安はやわらがないと。

■それにならえば、いまの状況も「休みが足りない」のではないでしょうか。小出しにいつまでと区切っては撤回するのじゃなく、もう少なくとも今年度いっぱいは休みだと決めて、ゆっくり考える時間をつくった方がいいのかもしれません。

■もうひとつ、不登校界隈に伝わる言葉に「保護者が元気になれば子供も元気になる」というものがあります。家庭学習やら家での子供の過ごし方やら、よかれと思ってやっているのでしょうが、結果的に保護者の負担が増やしていませんか。実は、保護者が元気になるサポートってとても少ない。行政には保護者をこそ支えてもらいたい。お金の心配が減るだけでもだいぶ違うはずです。

■新型コロナでの休校と不登校を並べるのはどうかと思いつつ、でも参考にできる部分はあるんじゃないかな。そして、先が見通せないことへの不安や、なにかせねば、させねばというあせりは、親の会やフリースクールがこれまでずっと聞いてきたことです。できることはありそうだ、なにかしら。

■そういや、緊急事態宣言での休業要請について、塾や習い事は休業すると協力金が出るのでフリースクールはどうなのか道庁の担当課に電話したら、フリースクールは「一時預かり事業」に相当するから対象外って言われました。え、一時預かり事業? それって保育の分野じゃなかった?

一時預かり事業実施要綱
1 事業の目的
保育所等を利用していない家庭においても、日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより、一時的に家庭での保育が困難となる場合がある。また、核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などにより、育児疲れによる保護者の心理的・身体的負担を軽減するための支援が必要とされている。こうした需要に対応するため、保育所、幼稚園、認定こども園その他の場所において児童を一時的に預かることで、安心して子育てができる環境を整備し、もって児童の福祉の向上を図ることを目的とする

担当者がフリースクールがなんなのかよくわかってないようだったので、あらためて連絡するけどさ。なんだかな。