漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

フリースペースを無料にします

NPO法人訪問と居場所漂流教室は本日2019年度定例総会を開催し、2018年度の総括と2019年度の計画を決定しました。その中で7月からフリースペース漂着教室の利用料金を無料にする、という運営方針が可決されました。これについて、少し説明をしておこうと思います。まず利用料金を無料にするという構想は漂流教室開設時から考えていたことです。今年度唐突に決めたことではなく、漂流教室の設立理念と深く繋がっています。

■日本では子供若者の成長の機会は多くを学校に頼っています。これは費用面では個人負担がほぼ無いことでもあります。漂流教室は対人関係の難しさや不登校・ひきこもりといった、困り事を背景に持つ、孤立したり成長の機会を得づらかったりした人とかかわってきました。これは学習権を中心とする人権保障であり、元来無償で行われるべきものと考えています。この原則と運営に必要な資金の妥協点で利用料金が決まります。漂流教室では、フリースペース漂着教室は一回1000円としてきました。しかし、利用料金以外にも往復の交通費や、日によっては食べ物や飲み物代がかかります。人権保障が一回実質2000円近くかかるなんておかしな話しです。「ただいることが肯定される場」というとカッコいいのですが、特段プログラムも無く勉強もしていない(あ、やってる本人は「何もしない」がすごく大事なことだと思ってますよ!)とこにお金払うってのも、常識的にはなんだかなーと思われることも、何とかしたいと思いつづけていました。

■さて、漂着教室の運営には年間96万円、まあざっくり100万円が家賃と水道光熱費として必要です。一方、利用料金は2018年度だと21万円でした。つまり、延べ210人が利用料金を支払ってくれたのですが、漂流教室の賛助会員費年間5000円で割ると賛助会員が40人いればまずは昨年度の利用者と同じ人数が無料で漂着教室を使えることになります。今、賛助会員は20人程度なので、もう20人集まればなんとかなりそうです。こんな計算を昨年会計を見ながらしていたのでした。正直、その時は収入減になり大変になるのではないか、との懸念も出ました。今だって不安は無いといえば嘘になります。ただ、活動を通じて出会ってきた本当に多くの方が札幌のみならず北海道、全国にいることが、この考えを現実のものにすることを後押ししてくれました。

■ちなみに残りの約80万円ですが、これ実は山田と相馬の、本体事業からの報酬をゼロにしてやりくりしてます。200人が賛助会員になってもらえると、フリースペースの維持費を賄えて山田と相馬がかなり楽になります。いや、その前に訪問の値下げかな。ということで、第一目標として40人、その後は200人を目指して賛助会員になっていただける方を募集します(新規でフリースペースを利用される方は賛助会員加入をお願いいたします)。クレジットカードでの払込ができるようにしていく予定ですが、今のところは郵便振替になります。応援していただける方は以下にお願いいたします。

郵便振替先