漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

イメージは独楽

■朝から来客。「居場所の運営とお金」を調査研究している方たちが漂流教室の聞き取りに来た。フリースペースを無料にしたことの影響、「フリースクール」を名乗るのをやめた理由、「居場所」なる言葉がなにを含みなにを曖昧にしているか、訪問で起きる変化など三時間近く話した。おもしろかった。

■他者と話すと思わぬ発見がある。「不安定になろうとしている」と、ぽろっと自分の口からこぼれた。始めた当初の方がまだコンセプトがあった。フリースクールをやめ、利用料を無料にし、プログラムも目的も持たずただ人とかかわる。見栄えのする活動や聞こえのいい言葉を削って、どんどん「なんだかわからないもの」になっていく。資金難だから利用料をなくすとか、自分でも意味不明だもの。

■話しながら浮かんだのは「独楽」。独楽は不安定だから回転を続けねば倒れる。それとおなじで、活動を続けるため足場を不安定にするのじゃないか。あくまでイメージだが、そんな像が浮かんだ。

hyouryu.hatenablog.jp

そういや「安定しつつ不安定に」ってどこかで書いたなと探したら、あった。なんだ。前から似たようなことを言ってたのか。

■独楽は、傾くと逆方向に力がはたらき、すりこぎのような動きをしながら元に戻る(回転が続けば)。外からの影響を受けつつ、それでも倒れずここまで来たのは、やっぱり不安定な状態を維持していたからじゃないかな。それがまわりに不安を呼ぶようなものでは困るし、己の力不足を正当化するものであってもいけない。あらためるものはあらためるとして、でも、どっしり安定した状態もどこか違う気がする(安心はしたいけどねー)。

■もちろん、安定を求めるのも間違いじゃない。どのフリースクールも懸命に経営努力を続けている。一方で、自力で支えをつくるのはズレてるんじゃないかとも思う。そもそも不安定な活動だから、まわりの支えが必要なのだ。いや、独楽なら支えじゃないか。回転力の保持。その原動力はなんだ。お金だ。賛助会員募集中。

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