漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

スローガン・スローバラード

■通信作成で9時に市民活動促進センターに行くはずが、目覚めたのが9時。慌てて山田に遅れる旨連絡をすると、山田も9時に起きたらしい。時々こういう駄目シンクロを起こす。

■全国学力テストについて。所得と学力差について文部科学省は関係を認めてない。前にも書いたが、これは仕方ない。そこを問う質問になってない。では、何が問われたのかと言えば、

  • 家で学校の宿題をしているか
  • どれくらい読書をしているか
  • 朝食を食べている日数は
  • 学校に行く前に持ち物確認しているか
  • 家で学校のことを話しているか

他にもあるが、例えばこういうことが訊かれ、家で宿題をする子、朝食を毎日食べる子の方が正答率が高いというような結果が導かれている(調査結果はここで見られる。要pdf)。これだとて何か因果関係が証明されたわけではないが、学校教育に有利な家庭の姿というのはひょっとするとあるのだろうか、と思う。両親が揃っており、どちらかは専業で家事をまかない、みんなで揃ってご飯を食べる時間の余裕がある。例えばそんな家庭だとか。

■で、そういう家庭が有利なのだとすれば、教育行政はその差を埋めるため、そうじゃない家庭や子供への支援をしなくちゃならない。それが行政の役割だ。もっとも、別のやり方もある。今回の結果をもって、学力差の責任を全て家庭に被せてしまう方法だ。この場合、行政の仕事は「早寝早起き朝ごはん」のようにスローガンを掲げて各家庭の尻を叩くだけだ。金もかからず楽できる。学力が上がらなくても、子供と家庭のせいに出来るし。

4/18の日誌にも書いたが、今回のテストはそもそも教育政策の検証のためのものだ。検証されて、どんな政策が打ち出されるか。支援かスローガンか。ちゃんと見てないといけない。

■帰り道、みぞれになってもおかしくない冷たい雨の中、堤防沿いの道を走る。なんとなくセンチメンタルな気分になってたところに、流れてきやがったんですよ。カーラジオからスローバラードが。くそー、RCサクセションめ。思わずひたってしまったじゃないか。でも車の中では寝ないよ。風邪ひくしな。