■「全国学力テスト」について、犬山市教育委員会の対応。(要PDF)
■これを読むと、「全国学力テスト」が「教育と教育施策を検証するための任意の調査」だということが分かる。子供それぞれの学力を見るものではない。だから本当は「学力調査」ではない。「政策検証調査」だ。それを踏まえた上で、この記事。
「全国テスト差し止め求め仮処分=小中生9人「違憲」−京都地裁」
国すべての小学6年生と中学3年生を対象に文部科学省が4月24日に実施する全国学力テストで、民間企業が関与し生活や学習状況についての調査が行われるのはプライバシー権などを侵害し違憲として、京都市と京都府京田辺市の小中学生9人が16日、京都市などを相手に、9人に対するテストの差し止めを求める仮処分を京都地裁に申し立てた。弁護団によると、全国学力テストに対する仮処分や訴訟の提起は全国で初めて。
(4/16時事通信)
政策の検証に個人の特定は必要ない。調査内容、調査方法に問題があるなら拒否は当然できて、だから犬山市も私学の4割も参加しない。参加主体の「学校設置者」はそれでいいが、じゃあ個人が拒否したい場合はどうすれば、というので差し止め仮処分の申請となったのだろう。
■好き嫌いで言えば、このやり方は好みじゃない。必要のない調査を"やらされる"個人が取れる、もっともシンプルな拒否は「休む」だ。テストの日は休む。どのみち自分の学力を知るためのものではない。受けなくても支障ない。または調査書だけ白紙で出す、という方法もある。道教委では、必ずしも調査項目全てに答える必要はない、と記した独自のマニュアルを作成するという。だったら一切答えなくたって構わない。
■この調査は完全に大人の都合だ。たまたま今年小学6年、中学3年だった子はいいとばっちりだろう。その都合に付き合うも付き合わないも自由だが、付き合わないなら"他の大人の都合"を招くようなやり方はして欲しくないな、と思う。もっとシンプルに、自分勝手に、「休む」でいい。休んじゃえ。そんで、みんなで遊んだらいいじゃん。
■で、大人はそういうわけにもいかないので、苅谷剛彦氏の問題提起でも読んで考えましょう。
http://www.chikumashobo.co.jp/new_chikuma/kariya/05_1.html