漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

2005年合同教研全道集会

■対面にいた高校の先生の表情が曇っていたのでもしやと思っていたら、やっぱりそうだった。意見を求められたその先生はこう言った。「自分たちのやっていることは無駄なのかな、と思わされます」。

■2日目に発表されたレポート3本は、「漂流教室」も含めどれも民間団体のものだった。学校現場からのレポートは2日間で1本。勢い、学校以外での子供の成長が語られる。一方、教師は学校に出来ることを求めて参加する。不満にもなるだろう。去年はこれが逆だった。教師からのレポートが多く、不登校は家庭に問題があるというような報告に、つらい思いをした親もいた。必要な人が必要なレポートを聞けたらいいんだけど。

■「不登校を出さないための方策/学校に戻れるようにするための方策」と「学校以外での成長の保障(学校の代替という意味ではない。念のため)」と。いま話し合ってるのはどちらなのか、討議の柱を立てることが必要なのかもしれない。教師じゃなくても不登校対策を考えることは出来るだろうし、教師が学校に依らない子供の成長を考えたっていいのだから。「わからない。だから知りたい」と発言した先生がいたが、それは何も不登校の子に限った話ではない。

不登校に関して、子供、保護者、教師はいずれも当事者だ。当事者同士はどうしたって利害対立が出る。間に誰か挟めれば、スムーズにいくかもしれない。これは「漂流教室」設立の意義でもあるし、SSNの研究報告でも語られていたことだ。

■その他、記憶に残った事柄。

  • 昼間、学校に来れない子のために、夜に教室を開放している先生。クラスメートがそこにやって来たり、なかなか楽しいことになっているらしい
  • とある定時制高校の特定課目履修制度。対象の数課目を課目履修でき、この学校に通いたいと思えば一般入学可能、入学しなくても履修した課目は他の高校で単位として認められる、という仕組を計画してるんだそうだ。この高校は道立だから、よその道立高でも同じことが出来る理屈にはなる
  • 適応指導教室運営委員会への親の会の参加
  • 年齢が離れてるゆえのメリット。自分とまるで関係のない存在だからこそ、気を許せるということもある
  • 全国引きこもりKHJ親の会認定「引きこもり訪問サポート士」。養成教本が販売されている
  • いじめ被害は深刻

■そういや、来年は共同研究者をお願い、と言われたが本当なのかしら。


本日の脳内BGM:今宵の月のように(エレファントカシマシ