漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

2018合同教研

■合同教育研究集会の不登校分科会に土日参加。昨年は存続をどうするか話し合うほど参加者が少なくレポートも低調だったのに、今年は全部で十本のレポートがあり、発表と討義の時間が足りなくなるほどだった。

豊富町の親の会「輪つなぎの会」や道南の中学校教師の報告で、教師なかんずく担任が孤立しないことや話しあえる職場環境が不登校の当事者が楽に過ごすには重要である、と報告で触れたのは良かった。昔から不登校を巡って可視化される悩みは当事者と親中心であり、教師の悩みはこうした集会で語られるくらいである。教師が取れる対応策は公的な不登校対策協議会で報告されるものをなぞるくらいしかない。本来、不登校の周囲には様々なエピソードが生まれ、個々の事例ごとに対応を考えねばならない。それをどのように実現しているか、教員を入れて運営されている親の会や不登校の子供と夜に学校で過ごす「夜の学校」の報告は貴重だ。

漂流教室からは自分が教育機会確保法の成立過程を追った報告をした。公教育概念の拡張と民間教育団体への公的支援を目指した法律が、不登校対策の法令化にしかならなかった経緯を知った上で現状の教育の市場化への胎動を話題にしたかったが、後半は来年だ。

■他に、札幌自由が丘学園の授業料減免措置についての報告があった。減免措置制度を創設以後、半数以上の家庭が制度を利用するようになった。これは経営的には非常に苦しいが利用者のことを考えると続けたい。そこで次年度も制度を継続するために最近はクラウドファンディング行った。しかし根本的にはやはり公的支援制度の確立が必要だと思う。教育機会確保法見直しが来年入るが、その中心はこれだろう。(日曜)