漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

有朋高校講演会

漂流教室メディアリテラシーについて訪問先でも行おうとしているのだが、これまでなかなかできていなかった。今回、有朋高校PTAの計らいでこれについて話をすることができたのは本当にありがたかった。関係各位に感謝します。

■講演会は限られた時間の中でメディアリテラシーの基本について体感してもらうことを考えて流れを考えた。しかし、どうも未消化の部分が残った印象を参加者に与えてしまったと思う。自己評価でぎりぎり60点という感じだ。

■メディアは送り手が現実の出来事や伝えたいことを言語や図像、音などの情報に変えて発信する。受け手は発信された情報を自分が望むように読みとっている。当然、言語や文化的背景といった共通のコードが存在するのでコミュニケーションが可能になっている。

■さらに大事なことは、われわれは送り手にも受け手にも成り得るということだ。例えば、テレビやラジオ、雑誌、本などで得た知識を自分というフィルターを通して情報化しインターネットでサイトを作ったりすることができる。新聞に投書するということもあるだろうし、知り合いに携帯電話で話をすることもある。時たま新聞やラジオで「メディアリテラシー」という言葉を見かける時には、ともすればマスコミにだまされない方法ということが語られがちだ。しかし、これはメディアリテラシーの一側面でしかない。メディアに翻弄される無力な子羊という立場から脱却することも必要だが、同時に自分自身が情報を読み取る主体であり情報を発信する立場でもあることに気づいておく必要もある。

■メディアは情報を人から人につたえるものであると講演会の中で話した。自分自身がメディアを利用するときには、自分が受け手/送り手どちらであるのかをまず認識する必要がある。その上で受け手の時には送り手の意図と自分の読み取り方に敏感になり、送り手の時には受け手にどう捉えてもらえるかと自分の中にあるバイアスに敏感になることで、相手に誤解されたり自分が誤解したりしていらぬ衝突をすることを避けることができるようになる。

■ああ、どうもぼくは難しく書きがちだ。これ以上やるとまた未消化な感覚を読み手に与えてしまいそうなので、一旦止めよう。相馬氏も明日書いてくれることだろう。ホント、漂流教室って二人で一人前だなぁ…。