■先週金曜日、大通高校のソクラテスミーティングに呼ばれて高校生と話をしてきた。
■キャリア教育の一環で、色々な生き方をする大人に会い、その人生を聞いて考えを深めるきっかけにしようという授業だ。最初の頃から呼ばれて話をしているが、担当が替わり以前のような哲学的な色は薄れているように感じる。話を始める前に生徒に「よろしくお願いします」と一斉に礼をさせるのなんて、前はあったけなあ。以前については
ソクラテスミーティング の検索結果 - 漂流日誌
ここから見てほしい。
■「人生曲線」という人生の浮き沈みを線で表したものを書いて話す、ということになっている。これまでは、漂流教室を始めるまでが上昇で始める時に退職したり離婚したり稼ぎが少なくなったりと凹んでいたのでガッツリ下がってそこから上に向いていく、という線を書いていた。でも、それで話すのもどうもしっくりこない時があったので、今回は話すことを一から考え直してみた。キャリア教育として参加するなら、自分の仕事観がどう作られていったのか子供の頃から振り返るのはどうだろう、と思ってメモを作ってみた。大通高校は昼間定時制なので、午前部午後部夜間部と三回話をしたのだが、そのメモ通りに話が出来たのは一度も無かった。午前部はまだ7割ほどは話したが、どうも自分の話はフリースクールの説明無しには分からないだろうということで、午後部からはフリースクールについての解説と漂流教室のやっていることの理念について最初に話すようにした。夜間部ではそれがブラッシュアップされた感じだ。
■伝えたかったこととしては、未来を考えて道を選んだつもりでもそれがそのまま将来に繋がるわけでは無い、けど生きていくことはできるものだよ、ということなのだが伝わっただろうか。高校生から聞かれて面白かったのは「教えることが好きで仕事にしたというが、他に好きなことは無かったのか」という質問だ。もちろん好きなことは読書音楽料理ドライブ…などなどいくらでもある。家事労働では無い金銭をもらう仕事をするのは他者に向くということだから、その好きなことのうち他者に向けられるものはどれかということだろう、料理を他者に向ければ飲食店になるしドライブを他者に向ければドライバーになるだろう、自分は塾講師をしていて教えるということはそもそも他者に向かっていることだから、仕事にしたのだと聞かれて思う、というような答えを返した。うなずいて聞いてくれていたので、まあ良かったのだろう。
■漂流教室が今訪問している人や前に漂着教室に来たという人、他のフリースクールでボランティアをしている人にも会えた。今回も中々面白かったので、来年も呼ばれれば行きたいね。(水曜日)