漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

社会人でも出来るボランティア

■春になり社会人となったスタッフが、訪問を再開してくれた。就職準備の間は忙しくて一ヶ月お休みをもらい、4月から再開ということにしていただいたのだ。こんな風に、訪問の日時はそれぞれの家庭との交渉で決めていくので社会人で働いていても可能なのが漂流教室の訪問です。ということでスタッフ募集中です。

■久しぶりに会った子とは、なんか少し距離があるような感じで、前にやっていたゲームを見ていたそう。昔やっていたことに一度戻ってまた少しずつなのだろうな。

■この春社会人になって心理士として就職したスタッフは、これまた面白い振り返りを書いてくれた。これはFacebookのページに載せているが、ここでも載せておこう。
https://www.facebook.com/fshyouryu/posts/7268834129857145

4年間ゲームをし続けたA君との訪問~私にとってのメンタルフレンドとは~(その1)
 
1.メンタルフレンドとは何か
 
「メンタルフレンド」とは何なのか、“何をする人”なのか、“何をしなくてはいけない人”なのか私にはよくわかりませんでした。それらに関するサイトをちょくちょく見てはいましたが、その時は「なるほどね~」と思っていたかもしれませんが、画面を閉じるとすでに「なんやろな~」と思っていました。
 
「メンタル=精神、心」で、「フレンド=友、友達」だから、「心の友かな?」なんてことも考えていました。そして、「心の友ってなんやろな~」と思っていました(笑)。そんなことをふと思い出し、考え、忘れを繰り返していると、4年過ぎていました。
 
2.人の家に入ること~その匂いに慣れる
 
私が訪問したのは、当時中学生に上がりたての“男子”(以下、Aくん)でした。初回面談では、実際にAくんの家に行き、今後のスケジュールについて互いに向き合いながら話し合いました。

一見、シャイな雰囲気を持ち合わせ、声もとがった感じではないAくんに対しては、それほど緊張感は持っておりませんでした。しかし、他人の家に入るということが久しぶりすぎて、A君の家の匂いに慣れるのに時間がかかりました。そのことが私を強く緊張させました。

(このように言ってしまうと、悪臭だったのかと勘ぐられそうですが、そういう意味ではなく、どんな人、どんな場面であれ、初対面はお互いに違う匂いに敏感であり、おそらくA君自身も知らない人が来て、私の匂いに驚いていたんではないではないかと今思います)
 
3.活動内容
 
約4年間、週1回何をしていたかというと、「ゲーム」をしていました。具体的には、Nintendo Switchのゲームが中心でした。スマブラ、マリオ、カービー、時々DSのゲームをしていました。おそらく、ゲーム以外したことはなかったと思います。4年間淡々とゲームを1時間して訪問を終えていました。話の内容もゲーム一本であり、彼の日常生活、学校生活についての話は年数回あるかないかぐらいでした。
 
(その2に続く)

(金曜日)