漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

傷のアイデンティティ

■そう。土日は札幌ドームでファイターズ基金の寄付呼びかけをしていたのです。12時の開場から7回表終了まで。ところどころ休憩を挟むとはいえ、二日間、立ちっぱなしで大声を出すのはなかなか大変。家に着いたらばったり寝てしまって、日誌を書くのも忘れていたというわけです。

フリースクール等に関する検討会議の審議を受けて、政府が学校以外の場での学習についてパブリックコメントを募集しています。締め切りは8月12日。こういう機会は積極的に利用したい。下記リンク先からどんどん意見を送りましょう。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000840&Mode=0

■ゼミ実習でやって来た大学生に「他人と違うのは怖くないか」と質問された話の続き。もちろんそれは怖い。単純に、数で押しつぶされるのは怖いし、白い目で見られるのも怖い。自分は間違ってるんじゃないか、変なんじゃないかといちいちフィルターを通さなきゃいけないのは疲れる。

■ところで、俺は臍がない。生まれてすぐ手術をして、臍のかわりに15cmくらいの縫い傷がある。臍が象徴するもの、哺乳類には必ずあるとか、母子のきずなの証だとか、そういう定番の「物語」には乗れなかった。かわりに「誰にもついていない」傷があった。怖い怖くないとは別に、周りと違うのは当たり前で仕方ないものではあった。初めからね。

■臍がないことでいじめられるのではと親は心配していたらしい。臍をつくる手術をしようかと考えたこともあったらしい。でも、本人は、「みんなにある臍が自分にはない」じゃなく、「みんなにない傷が自分にはある」と得意だったから、そんな心配はいらなかったのでした。

■問題は、なぜそう思うようになったのかで、大学生との話もそこで止まってしまった。『やっぱりおおかみ』がかかわってる予感はするのだが。それとも、みんなと違ってたからあの絵本にひかれたのか、このあたりはもう鶏と卵に似て後先がわからない。なんにせよ、アイデンティティの核が腹の傷にあるのは間違いない気がする。書いてて気がついたけど、マンガの登場人物も傷がついてるヤツが好きな傾向があるよ。