漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

時間がかかってもいいじゃないか

■とても風の強い一日。エールアライブのドアが急に開いたりするくらいだった。家に帰ったら、外に出していた鉢植えが倒れていた。

■これを書いているのは水曜日の夜なのだけど、教育機会確保法案は今国会での成立が流れた。この法案については、大阪のフリースクールフォロの山下さんが書いている「法案がどうなろうと、問題は法案以前にあって、法案以後にある」という言葉が、正鵠を射ていると思っている。流れたことには少しだけホッとする部分もあるけれど、それで良しでもない。状況は法案以前のままということだし、法案は固まったのだから既に「以後」に足を踏み入れているとも言える。フリースクールが自らの実践を教育(公教育制度だけでない、生涯教育や社会教育の文脈においても)の中にどう位置づくものとして考えるかが問われている状況には変わりない。不登校への対応がフリースクールの行う教育であるがごとき思い込みが、フリースクールから世間に発信され、自縄自縛の状況が生まれている。そこを逆手に取られ、今次法案は不登校対策法案となってしまった。現代のフリースクールは、不登校のみならず、子供・若者が抱える様々な生き辛さに向き合っているはずだ。今一度、自分たちの実践を見つめなおし、法案の方向性を見直そう。時間はかかってもいいじゃないか。(水曜日)