漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

第9回JDEC

■今回のJDECも教育機会確保法案がメインテーマだったが、2月のときのような切羽詰まった感じは受けなかった。理由はわからない。ただ、折衝に当たっている中心メンバーはなんらかの実感があるのかもしれない。議員や役人とのつながりや、法案を活かす知恵など、交渉の場にいて得られるものはある。

■だとしたら、それをどんどん開示、共有してほしい。「法案が成立したらどんなことができるか」というパネルトークで、奥地さん以外は具体的な提案ができなかった。それは肌感覚を含めた知識の差なのではないか。

■別のパネルトークでは、適応指導教室の全国連絡協議会の会長や、東京都教育庁の課長、葛飾区の議員らが登壇した。今後、適応指導教室の民間委託が進むのかもしれない。それはそれでいいのだが、というより、フリースクールの生き残る道はその辺りしかないんじゃないかと思うが、これまたフリースクールにより差がある。東京シューレとそれ以外と言うべきか。

■行政とともに活動するなら、より明確に実践を示せなくてはならない。「フリースクールの実践を言語化しよう」と分科会で言い出したのもその流れなのか。これまた大事なことだけど、「居場所」や「ありのまま」、「自己肯定感」といったキーワードをきちんと解体しないと、言語化はできない。突っ込むには時間が足りなかった。

■あらためて思ったのは、不登校にならなければフリースクールと出会えない時点でもう設計ミスだということ。漂流教室の訪問も、フリースペースも、本人が望めば誰でも利用できる。そのことをいま一度強く打ち出すと同時に、なぜそういう仕組みが必要なのかということを理論化しておかないと。キーワードは「幼稚園」かな。あるフリースクールの利用者が、利用を決めたきっかけを訊かれ、「通っていた幼稚園と雰囲気が似ていたから」と答えていたことにピンと来たのです。(6/27夕)