漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

フリースクール支援の話

フリースクールへの財政支援検討の話は、不登校新聞社が文部科学省に問い合わせたところ、まだ報道にあったような検討はされていないという回答があったとのこと。教育再生実行会議の提言(漂流通信627日目に記事あり)がベースにあった上で、記者は記者で文部科学省筋から裏を取ったから記事にしたのだと思う。もし提言だけをニュースソースにしているなら、出席とする仕組みを考えることや有識者会議の設置などを記事にはできないはずだ。文部科学省からの発表がそのうちにあるのではないか。

フリースクールを認可条件は「フリー」の部分をどう読み取るかにかかっている。そこに何の意義も見出さず「不登校の児童生徒が行く学校」としか考えないのなら、既にある学校の代替機能を持っているかどうかが基準になる。この資料中教審初等中等教育分科会(第38回)で配布されたもので、各国におけるホームスクール・フリースクールと義務教育との関係を載せている。この表を見ると、各国のフリースクール不登校児童生徒への対応機関ではなく、公立学校以外の義務教育を選んだ場合の一手段であることがわかる。

■つまり、フリースクールを財政支援するという話は、この国の義務教育はどのような仕組みであるべきかという、根本を考える問いになりえる。不登校への対応とフリースクールの経営難という分かりやすい社会問題にばかり目を奪われていると、大事な話ができなくなるで。(火曜日)