■十勝バス社長の話を聴きたくて、全国作文教育研究大会へ行った。乗客減から倒産寸前まで追い詰められていた会社が、住民との対話を通して経営方針を見直し、40年ぶりに黒字収益に転じた。特に印象に残ったのは「不便ではなく不安」という言葉だった。住民が路線バスを使わないのは、バスが不便だからではなく、いつ来るのかわからない、どう乗ったらいいかわからない、どこへ行くバスなのかわからない、といった不安によるという指摘。その「不安」は、バス会社経営の視点からは見えない。徹底した聞き取りでようやく見えてくる。
■同じことはフリースクールにも言えるのではないか。利用料が高い、場所が遠いといった「不便」から利用者が増えないのではなく、何をするところなのかわからないという「不安」で増えないのじゃないか。もちろんフリースクール側も、活動内容を発信している。でもそれは「不安」を消すような中身になってないのじゃないか。なぜなら、自分たちが自分たちの活動を紹介しているから。
■フリースクールを利用しなかった人の話を聞いて回らねばと思った次第。親の会にだってたくさんいるじゃない。そして、不安を消す発信をしないとね。（8/4朝）
