漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

研修初日

■北海道フリースクール等ネットワークが主催のフリースクールスタッフ研修に参加した。初日は、まず一般社団法人プロジェクトデザインセンター代表理事の加納さんの講演「フリースクールの経営強化に向けて」と各フリースクールの取り組みと課題を発表するというプログラムが行われた。

■加納さんは、札幌チャレンジドというNPOを立ち上げ、市民活動と行政の協働に精力的に取り組んできた人だ。去年の三月までは、期限付きで札幌市の市民まちづくり課の課長をしていた。そして、今また市民活動畑に戻ってきている。フリースクールネットとは市役所にいたころからの繋がりがあり、市に対して出した公的支援を求める要望書にも深く関わってくれた。

■市役所のことも、企業との協働のことも、フリースクールのこともよく知っている加納さんから見える、フリースクールネットに足りないものは「顧客別の戦略的行動のみ」という話で、講演は終わった。この「顧客別」という点を考えることが重要だと思った。

フリースクールに限らず、教育産業は多くが「学校(教師)-生徒」という関係で活動を行う。しかし、これは公的な学校システムにおいてのみ成り立つモデルだ。これを成立させるためには、教師や建物、カリキュラム等々「教育」を法律で作り保護せねばならない。公的ではない教育の場合は、学校(教師)は生徒以外の様々な人との関係構築を行うことで、「教育」と学校の経営を保障することができる。そう考えると、生徒に限らず、関わりを持つ全ての人や組織を、フリースクールにとっての顧客と考えて行動する必要がある。つまり、学校も教育委員会も行政も、企業も他のNPOも、一般の市民でちょっと関心を寄せる人も、みんなフリースクールの顧客であり、その人たちとの繋がりがフリースクールの経営安定に、最終的に繋がっていく。

■自分たちと相容れないように見えることもある人たちを顧客と捉えた場合、その人たちに提供できるサービスは何か。加納さんが行政との付き合い方を色々と実例を挙げて話してくれた。その話は夜の懇親会でも翌日の研修でも自分の中でネタとなった。今後もますます参考にさせてもらいながら、漂流教室をやっていくことになるだろう。ありがとうございました。

■プログラムのもう一つは、発表をする予定だった「どんぐり広場」の一色さんが高熱を出して来られなかったので、全員で近況報告などして懇親会に移行。一色さんは早くよくなりますように。その後はホテルの部屋でまた話し合い。夜が更けるにつれて、バカ度合いが増して笑いまくっていた。(8日)