漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

分断いやーね

■金曜夜に「題名のない発表会」をやってから、帰りの無くなった高橋くんを家に泊めた。夜、HUNTER×HUNTERで覚醒ゴンで一笑。

■朝起きて飯を食いながら、児童虐待をどう防ぐかのNHK番組を見て違和感を持つ。子育てで困ったということを周囲に相談できるようにするとか、周囲が困ってないか細かく注意してみるというのは、異常を炙り出さねばならないという分断を生み出す構造をはらみ得る。

■最終的にとり得る手段は相談であったり通報であったりするのは異論はない。でも、そこにたどり着く経過やたどり着いた後に、「普通の子育てができる人/できない・できなかった人」というレッテル貼りは必要であるか。誰しも自分は普通である、或いはそうありたいと願いながら子育てをしている。それが出来ない自分を自ら認められるエンパワメントが必要であるのに、そこを抜きにして「困ったら相談」と仕組みだけを作るのは、そこに行くほどダメな親では無いという考えに固執する人を増やすのではないだろうか。あたかも、フリースクールに対して「そんなとこに行くほど自分はダメじゃない」と不登校の子供が語るように。

■虐待は人の命に関わる場合もあるのだから、そんな悠長なことは言ってられないという考え方もできるだろう。しかし、そういう言葉によってゆがんだ形の仕組みが出来上がるのは、正に解釈改憲がなされんとしている現状と相似形に見えるのだ。その言葉によって焦る自分をなだめるために、大事なことを見落とすのはやめにしないと。

■午後、訪問先の人と相談室で一人暮らしに向けた相談。数年計画なので、訪問はこの先もまだまだ続くことになるだろう。10年以上になるのだろうなあ。