漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

安心××ライフ

安心ひきこもりライフ

安心ひきこもりライフ

■「安心ひきこもりライフ」の「ひきこもり」を色んな言葉に変えてみる。「安心定年ライフ」「安心療養ライフ」「安心スクールライフ」「安心転職ライフ」「安心サラリーマンライフ」。だいたい何でも入る。誰でもいつでも安心ライフを送りたい。そりゃそうです。

■じゃあ、ひきこもりの安心ライフとは何なのか。就職? 外出? 社会復帰? よく言われるそれらは全部、「脱ひきこもりライフ」なんだよね。「安心」が「脱」にすり替わっていることが、ひきこもりの苦しさなのかもしれない。安心できない。「脱サラリーマン生活」ばっかり勧めてくる社会だったら大変でしょ。

■「安心」は「××でもいい、××になっても大丈夫」ということだ。「定年になっても大丈夫」「病気でも大丈夫」。だったら「安心ひきこもりライフ」も当然「ひきこもりでも大丈夫」にならないとおかしい。

 安心ひきこもりライフとは一〇〇パーセントひきこもることです。
 ひきこもり廃人、悪いひきこもりとは九九パーセントひきこもって、残りの一パーセントを就労活動に費やすことです。結局この一パーセントが残りの九九パーセントを台無しにします。
(中略)
 中途半端が苦しみを増す。ひきこもればいいじゃないか。廃人から一念発起して社会復帰を試みては、失敗そして病人、病気を治して、チャレンジ、そしてリストカットみたいにピラミッドの底辺を行ったり来たりして、いっこうに心が定まらない、それでは困ります。社会や学校のことを考える前に心の居場所、自分の立ち居地を決めるべきです。

『安心ひきこもりライフ』より

■とはいえ、なかなか大丈夫とは思えないですよ。先例が少ないので。だから、この本では自分のひきこもり経験をどんどん話せ(ひきこもり資産の活用)、と勧めている。この本自体もそれを目指してるんだろう。経験値を次に伝えることで、それぞれが「大丈夫」と思える幅が生れる。自分の立ち居地が決まる。

■この本で特に好きなのは「ひきこもりの『自立』とは何か?」の章だな。それと後書き。坂口安吾か。この辺は鼎談で話してみたいところ。

■「Just 40 Life」というタイトルの鼎談だけど、「安心40歳ライフ」でもよかったかも。「安心不惑ライフ」とか。俺や山田も含め、世間的な物差しからは外れてしまった40歳三人がわいわい喋ることで、「大丈夫」と思える幅が広がったりする、といいけどな。

■そーいう意味では、同年代や年下にたくさん来て欲しいイベントでもあります。拡散希望。よろしく。申込みは↓
http://kokucheese.com/event/index/15605/