漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ボランティア、本

■日曜日は札幌マラソンということで早寝したかったが、いつものボランティアに初参加の人がたくさん来るというので行ってきた。それにしても、大学生がボランティアに参加するきっかけはどうも授業で先生に言われたからというのが大半になってきている気がする。自分から何かやってみようという気持ちをもって、そういつ活動を探すということは少なくなっているのだろうか。他方、相馬が書いたように、個人の発信力は高まっている。

■思うに、誰かと共に何かをするために先達を探し共に行うという活動スタイルが何故か廃れ、何か気になることについてネットを利用して自力で発信することが様々な局面での活動スタイルの中心となっているのではないか。実のある活動、実際に何かに関わる活動、物理的に動く活動ではなく、情報発信・情報伝達を個人ですることのみになっている感覚。理論と実践なら理論先行というか。

■さて、ひきこもりの実践家でありひきこもり名人という称号を自称する勝山実の最新刊「自立からの卒業」を読んでいる。

個人的に名著と思う「安心引きこもりライフ」ほどのタイトルインパクトは無いが、尾崎豊の声は頭に響いてくるタイトルである。まあ、タイトルはともかく中身がすごい。エッセイとして読んでいると、中盤「80-50問題」をひきこもり当事者の視点から克明に書いたルポルタージュになる。著者の母との相克はブログやこれまでの著作で知っていたが、両親の死をどのように受け止めて処理していくか、これは全ひきこもりが知っておいていいことだろう。著者も後に続く人のためにまとめてくれている。

■ということで、エッセイ部分についてはまた今度。(水曜日)