■発達障害支援フォーラムに出席。道内の発達障害の子を持つ親の会5つが協力して開催したものだ。フォーラムなので、基本的に報告・講演を聞いているものだったが、内容はよかった。
■基調報告はノンフィクションライターの品川裕香氏。平成19年4月までに特別支援教育の準備をしていく途中の現状と課題について、これまでの取材を通じて知った当事者の声やイギリスとの比較からお話があった。
■基調講演は二つ。発達支援法を作った発達障害者の支援を考える議員連盟事務局長の福島豊氏と大阪教育大名誉教授の竹田契一氏。福島氏は息子さんが発達障害をお持ちであり、当事者のニーズに基づいた施策の必要性と既存のシステムとのすりあわせが立法に当たって大変であったことがよくわかった。発達障害の位置づけやお金を出していく仕組みなどまだまだ手直しをしていきたい部分がある法律なのだが、法律を作った本人が一番わかっているのだろう。竹田氏はアジテーター的な方という印象だった。聞いていて面白いのだ。教育現場では今後発達障害を持つ子供一人一人に教育計画を作らなくてはならないのだが、その中身が問題である旨、強調されていた。
■その後、シンポジウム。シンポジストは品川氏の他に日本自閉症協会副会長の氏田照子氏、道保健福祉部の内海敏江氏の三人。コーディネーターは道教育大の安達潤氏。
■総じて、みなさんに共通していたのは・発達障害について国民的認識がまだ足りない・教育現場での現状と今後について、不安がある・幼稚園→小中学校→高校→大学→就職といった社会生活の場の移り変わりと個人の成長をどう合致させるかが問題であり、周囲の変化が必要であるということだと思った。最後に品川氏が話していたことが「周囲の変化」ということについて象徴的だった。「みんなが集まって何かをしていくというだけでなく、一人でもできることはある。例えば、教科書を見たときに『これではLDの子が学習できない』と思ったなら、教科書会社にメールすればいい。家電製品のマニュアルなども然り。国民の一割が発達障害だとしたら、大きなマーケットなのだから企業にとってもおいしいだろう」
■相馬氏は具合が悪くてへろへろだったらしい。大丈夫?