漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

子どもの貧困対策ネットワーク会議

■北海道子供の貧困対策ネットワーク会議に出席。子供の居場所絡みで委員になっている。年一回か二回、集まって話す機会があるのだ。

■今回はまず子どもの貧困対策推進計画の昨年度状況についての報告があり、相談件数が少なくっていることが話題になった。これについては、統計を取っている自律支援員や支援センター以外に相談が分散している可能性と、コロナ禍との関連があるのではないかという指摘があった。

■その後、北大の松本伊知朗教授による子どもの生活実態調査についての報告があった。相談をする相手や、身体・精神的健康状態の問題、病院受診を止めてしまう割合などが、ひとり親世帯や低所得階層では低くなる傾向が現れていた。

■さて、今回の目玉は何だったかというと、こども家庭庁設置に関係して、機構改革が行われることになり、子どもの貧困対策の関係部署が統合されることになったという話だった。これまで北海道では、子どもの未来づくり審議会が子ども部会、子ども子育て支援部会、社会的養育推進計画検討部会、困難女性支援部会の四部会を含んで子ども政策の中心になっていた。この子どもの未来作り審議会と社会福祉審議会、男女平等参画審議会、青少年健全育成審議会の三審議会を合体させて「北海道こども施策審議会」というのを来年1月を目処に立ち上げるという。内閣府厚労省の関係部署がこども家庭庁に集まったような感じで、各自治体でもこども家庭庁に対応した組織体を作るということなのだろう。

■今後は「こども大綱」が施策の基本になることになっていて、各自治体の施策もそれをなぞったものになる予定だ。そこで今回の機構改革でも「こども施策部会」という会議体が新規に開かれことになっている。ここで計画の策定や施策の推進、若者の意見反映が行われるとのことだった。すると、これまで自分が関係していた居場所作りに関係する集まりなどは、まず先に決まっている施策の下に行われることになるのかと疑問が湧いたので担当者に聞いてみると、あくまで並列なのだという。しかし、こども家庭庁という上部組織が「こども大綱」という基本計画を作る以上、そこが指導的指示的な力の源泉となり、下流となる自治体の会議体にそれが伝わることは容易に予想される。公と民が共に施策を実現しようとする時、このような形を取ると、色々と衝突が起こるのではないかという懸念は消えない。この点は、松本教授も同意見だった。

■夜、お野菜をもらったので、色々と料理。中華料理の良い本が出たから、みなさんも買ってやってみるといいと思います。

(15日)