漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

で結局何をするのか

■子供も教員もデータ化の動きが進んでいる。今回の記事はその中でも貧困対策にフォーカスしているもので、子ども庁設置議論と結びついているのだろう。
nordot.app

■ちょうど一年くらい前の日誌で、教育データの標準化が進んでいることを書いた。
hyouryu.hatenablog.jp
その後議論は進み、中間まとめも出ている。概要を見てみると、個人を特定できる情報(一次利用)とビッグデータ二次利用)に分けてデータ化を進めるらしい。
www.mext.go.jp

■ここで取られるデータとして考えられているのは「①児童生徒(学習面:スタディ・ログ、生活・健康面:ライフ・ログ)、②教師の指導・支援等(アシスト・ログ)③学校・学校設置者(運営・行政データ)。定量的データ(テストの点数等)だけではなく、定性的データ(成果物、主体的に学習に取り組む態度、教師の見取り等)も対象。」というもの。今回のニュースに挙げられている給食費の滞納や経済的な生活困窮の状況などはまだ考えられていない。それを一歩推し進めていくときに、やはり以前考えたように、何をデータとして記録するかという指標の選定基準が結局自分たちの問題意識に左右されるだけという点は変わらない。今回は更に保護者・家庭のデータが連結することになり、その管理はより難しくなるだろう。この管理を行う部署が小中学校に出来るのだろうか。はたまた教員の仕事が増えるのだろうか。

■そして、これらのデータを使ってどんな政策が行われるのか。上記の概要には子供の様子を把握し支援するという文言が出てくるが、データ化というフィルターを通さねばできないものであるのか。どうも意図を測りかねている。