漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

辞書の話

■幼い頃から言葉が好きであった。車に乗ってでかけた時は、街の看板を片っ端から読み上げていたし、幼稚園くらいから新聞を広げては読める字を探していた。今の子供たちがポケモンをどんどん覚えていくような回路を多分言葉に使ってきたのだと思う。

■初めて辞書に触れたのは小学校に入った時だったか。誰かからのお下がりで漢字学習用の字典をもらったのだ。そこに載っていた口誦法での漢字の覚え方が好きで、良く唱えていた。「ごんべんにごとくち」→語、みたいな。読むだけだったところから書けるようにもなってきた。

■読める本がどんどん増えてきたが、同時にわからない言葉もどんどん出てきた。漢字の字典だけではだめになってきたので、親の使っていた国語辞典を使いだした。初めての使い方は学校で教わった気がする。この辞典は昭和30年代のものだったはずで、載っている挿絵や写真が古いものだったのにとても興奮した。自分の知らない昔のこと、今はもう失われたものがそこに載っているのが面白かった。

■ただ、言葉も解釈も古いものだったしコンサイス版くらいのものだったから、もう少し詳しいものが欲しくなった。中学入学時に旺文社の国語辞典を買ってもらった。これで色々なものが読める、新しい言葉を知ることができると思い嬉しかったのを覚えている。ゲームの攻略本がすごく分厚くなっているでしょう。あれは辞書を手にした時の喜びに近いものを与えていると思う。

■高校では英和辞典、古語辞典、漢和辞典を手にした。このあたりから辞書から本そのものから言葉を覚え使うようになっていった気がする。子供の頃は広辞苑なんかがほしいなと思ったが、家で大きな辞書を買ったことで自分で所有したい欲は少なくなった。最近はスマホの検索に頼ってばかりだけど、辞書アプリを入れてみたいなと思うこともあるくらいになっている。(木曜日)