漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

逆たほいや

■今日が仕事始め。でも余市訪問が休みになったりでまだ調整運転な感じ。やらなきゃいけない事務作業が多かったので助かった。午後からずっとパソコンとにらめっこ。

■漂着教室の利用は3人。国語辞典を使ってゲームをしていた。意味を読んで単語を当てる。これが結構難しい。「呑噬」なんて初めて聞いた。簡単な言葉も案外わからなかったりする。「用事が多くて忙しいこと」。さあ、これはなんでしょう。「多忙」じゃありません。

■このゲーム、最初は英和辞典でやろうとしたが難しくて諦めたらしい。大学生向けの辞書しか置いてないからな。もっと易しい辞書もあっていい(ということを前も書いた気がしてきた)。他にもことわざ辞典や四字熟語辞典なんかがあれば、出題の幅が広がる。

■あのゲームは"彼らなりに折り合いをつけた勉強方法"なのかも、と思ったり。問題を出し合うのは、出題でも回答でも学べるいい方法なんだよな。


■「学ぶ」といえば、YOUスペースの小田さんが書いた文章が面白かった。小田さんは、これまでも利用者から度々パチンコの話を聞いていたが、いまいち興味を持てないでいた。それがある日、思い切ってものすごく初歩的なことから教えてもらったら、視界が晴れ、これからパチンコに行っても大丈夫な気持ちになった。

■話題そこから若者支援、就労支援へ展開。何かを「学ぶ」ことから道が拓け、「学ぶ喜び」によって自信を深め、「学んだ結果」により安心を得るのではないか。そこを疎かにしてはどんな支援もおぼつかない。教育機関である札幌自由が丘学園はそこをこそ大事にせねばならぬ、と結ぶ。

■確かに、今の就労支援は「早く就職させる」ことばかり重視する。人は労働ばかりで出来ているわけではないのに、ほかから支えようという発想がない(または、あっても効率が悪いから選ばない)。「学ぶ喜び」から支えようというYOUスペースは貴重だ。

■だからこそ、もう一歩惜しいのは、パチンコの例と就労支援はぴったり重なるのに、学び一般の話に流してしまったことかな。「そこから分からないの?」ということに付き合ってくれる就労支援はほとんどない。だから利用者はいつまでも闇の中で、だから効果も上がらない。せっかく「パチンコと就労」ってタイトルにしたんだし、YOUスペースはそこからやってるよ、というところまで持っていって欲しかった。


■今日は穏やかだったが明日は荒れるそうな。イヤだなあ。