漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

子どもの権利条約で気になるところを読んでいこう

■今後の漂流教室の方向性を考える基盤の一つが子どもの権利条約の第31条だと思うので、つらつら眺めてみた。
www.unicef.or.jp

第31条
締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。
締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。

■この条文は、遊びの権利の方に比重があって日弁連が翻訳した子どもの権利委員会の一般的意見
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/child_gc_ja_17.pdfも遊びとレクリエーションについての記述がほとんどである。しかし、休息についても一節をしっかりとってあることには注目しておきたい。

13.最後に、休息と余暇は、基礎的な栄養、住居、保健ケアおよび教育と同じぐらい子どもたちの発達にとって重要である。十分な休息を得られなければ、子どもたちは、意味のある参加・学習のための元気、やる気ならびに身体的・精神的能力を持てない。休息・余暇を否定することは、子どもたちの発達、健康およびウェルビーイングに対してとりかえしのつかない身体的・心理的影響を及ぼす可能性がある。子どもたちには、自らの選択によって思いどおりのことをしながらまたはとくに何もせずに過ごすことのできる、余暇(義務、与えられた娯楽または刺激のない時間および空間)も必要である。

■特に余暇の注釈として「義務、与えられた娯楽または刺激のない時間および空間」とあるのは素晴らしい。余暇は何かをすることのない時空間も必要なのだ。つまり、遊園地に行って楽しく過ごすことばかりが休みでは無いということだ。これは深いね。(火曜日)