漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

校外フリースクール誕生

■俺が身体を壊し、山田が車を壊し、茂木さん気をつけてね。

■校内フリースクールの流行に、そのうち「校外フリースクール」ができるんじゃないなんて笑っていたのだが、まさか現実になるとは。

www.chunichi.co.jp

学校に行けず商業施設で休んでいた子供向けに、学校と施設が提携してショッピングモール内にサテライト教室をつくったというもの。若干の懸念はありつつも、それ自体はおもしろい試みだと思う。

■しかし、なぜ校外フリースクール。記事を読むと、関係者はそうは呼んでいない。学校は「サテライト教室」と言い、文科省は「分教室」と言う。実体を見てもそれが妥当だ。分教室ではインパクトがないと踏んだのだろうか。さて。

■「大型商業施設は全国にあるので、生徒の身近な居場所になるのではないか」と文科省の担当者は言うが、おなじように商業施設に避難してきて、分教室には入りたくない子もきっといる。そういう子は、この取り組みのせいで身近な居場所をひとつ失う。利用のハードルも上がるだろう。「ショッピングモールに行って卓球したりギター弾いたりしていれば出席になるんだ」と思わせないよう、学校に申請し認められたら、あるいは職員会議で利用が適当と決まったらとなる可能性は高い。商業施設担当者には「学校と連携しない取り組み」を推進してほしいと願う。

■一方で、うっかり学校と商業施設がくっついてしまう未来も想像する。地方の大きなショッピングモールに学校を併設して、近隣住民はみんなそこへ足を運ぶ。なくはない、ような。いや、どうだ。(4/10夕)