漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

自分しかわからないこと

■親と自分の関係性について知り合い達とズームで話した。親が機嫌を損ねないように自分の行動をコントロールしてきた子供時代(それは親の言うことに従う、しつけの成功例でもある)が、長じて周囲の評価を常に気にしながら生きる自分を形作っているという話が出てきた。ふむふむと聞いていて思ったのは、誰も評価しないことのクオリティをどう上げているのだろうかという、その話からはややずれたことだ。

■例えば、風呂に気持ちよく入るとか、尻の拭き方とか、布団のかぶり方とか。ごくごく個人的な、おそらく肉体の感覚に関わる行動というのは、自分以外の誰にもわからない快不快の基準しか存在しないから、そのクオリティは自分で判断することしか出来ない。いつも人の目線が気になって自分らしく生きることが出来ないという悩みが前面に出てきた時、この感覚は背景に回り、まるで自分が無いかのように感じられるのではないか。

■だから、そうした悩みを考える時にもう一つ必要なことは、実は自分が自分だけで決めざるを得ないことを大事にしてそこに満足する時間だと思う。そうやって満足した時間がものを考える時に余裕を生むと思うんだよな。(月曜日)