漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

フリーがないスクール

■朝起きたらテレビが津波の情報を流している。地震ではなさそうだ。震源地情報がない。じゃあ、なんの津波かと思ったら、なんとトンガの噴火が原因だという。確かに前日にそんなニュースを見た。被害状況はまだわからないが、迅速な救済を願う。

■しかし、遠く南太平洋の国で起きたことがこんな形で影響するとは。いや、かつてハワイの火山が噴火して、日本の稲作に影響を与えたことがあった。しかも二年後に。あのときは米を買いに並んだのだ。今回もまだまだ続くだろう。

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■一昨日の日誌で「フリースクールとはなにか」とぼやいたが、記事に答が書かれていた。

校内フリースクールは、空き教室にじゅうたんを敷くなどして、生徒が心地よく過ごせる空間作りを各校で工夫する。異なる学年の生徒が一緒に通うこともあるため通常の授業はせず、自習など1日のスケジュールを生徒自身が決めるようにするほか、スクールカウンセラーに悩みを相談しやすい環境も整える予定だ
名古屋市、校内フリースクール開設へ 中学30校に、2022年度から | 毎日新聞

  • 生徒が心地よく過ごせる
  • 自分の予定は自分で決める
  • 悩みがあれば相談できる

これらの条件を充たす場所が「フリースクール」だと名古屋市教委は考えているわけだ。制服には触れていないが、あくまで「校内」だから着用しといてねってことなんだろう。

■でも、それじゃあ「校内フリースクール」以外が不穏だ。「フリー=自由」ならば、身体および精神の自由、自己決定の自由、相談の自由のない場所が「スクール」だという話になってしまう。それでいいのか、名古屋市教委。

■なので、やはり学校全体を「校内フリースクール」の規格にあわせた方がいいんじゃない。文科省の通知でも「不登校が生じないような学校づくり」として、いの一番に「魅力あるよりよい学校づくり」を挙げている。

■野放図になるのを恐れているのかもしれないが、「校内フリースクール」ではできるわけでしょう。そして、民間のフリースクールでもできているわけでしょう。そのためには教室も教員ももっと必要で、そんなに金をかけられないから、「困難を抱えた一部の生徒に向けた支援」という括りにしているんだろうけど、それはそれで失礼なあつかいだ。インクルーシブ教育はどこへいった。