■陽ざしが入って暖かな漂着教室。暖房つけなくても大丈夫なくらい。眠くなるけど、フリースクールネットワークの来年度の事業計画をつくらなきゃ。でも、飽きたので日誌を書くよ。
■「札幌市いじめ・不登校対策連絡協議会」はスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、児童相談所、社会福祉協議会、人権擁護委員連合会、校長会、PTA協議会などの代表者があつまって、「いじめや不登校等の生徒指導上の諸問題について、学校、家庭、地域社会、関係機関等が一体となって未然防止や対応等を進めるための情報交換や意見の交流を行う」(配布資料より抜粋)会とのこと。対応に苦慮しているケースが話されたり、相談件数が減少していることへ意見を求められたり、予想より活発な会議だった。
■不登校について「質的改善」という言葉を使っていたのが印象的だった。たとえば、俺が相談支援パートナーで会っている子供もおそらくここに入る。昨年度は週二回の別室登校だったが、今年度は週四回になった。それでも月に4、5日は休む計算になるから、統計の上では「不登校」にカウントされるが内実は違う。そういうことだろう。全体のおよそ34%に「質的改善」が見られたとのこと。登校するかどうかの単純な観点ではなくなったんだな、という気持ちと、結局「問題」と思っている(だから『改善』なのだろう)のは変わらないんだな、という気持ちとで、なんだか落ち着きが悪かった。
■たとえば、学校に行かなくなったことで当座の憂鬱が晴れ、気持ちが安定することもあるだろう。これは不登校による生活の「質的改善」だけれど、その点はどうなんだろう。Quality of lifeという言葉があるが、ここでの「質的改善」は生活ではなく、学校との関わりについての視点なんだと改めて思う。
■「これからの不登校への取組」では第一に未然防止として「魅力ある学校づくり」が挙げられている。具体的には「子ども同士の関わる力を高める取組の推進」とのことだが、それはどうだろう。その前に不登校のきっかけについて、文科省の統計で説明をしていた。そこでは不安や無気力など「本人に係る状況」が上位にある。それで対策が「子ども同士の関わる力」というのはズレていないか。
■未然防止を言うなら、いま俺が相談支援パートナーでしているような、「教師ではない大人が校内で一般生徒と日常的に話をする」ことの方が有効だと思う。そこで状況の整理とガス抜きが出来るからだ。危険だと判断すれば教師につなぐこともできる。「子ども同士の関わる力」ではなく、「子どもと大人の関わる機会」を高める取り組みの方がいいんじゃないかな、という話をしてきた。
■数字をいくつか。2013年度の札幌市の不登校児童生徒数1772名。前年度からは200名が学校復帰。新たな増加分は887名。特に中学一年の段階で約280名が不登校になる。市内6ヶ所の教育支援センター、相談支援教室の利用者およそ200名。フリースクール利用者の統計はなかった。
■そうそう。不登校の早期対応例として紹介された横浜市の取り組みはちょっとどうかと思う。児童生徒が学校を休んだら、「一日目:電話連絡、二日目:プリント、三日目:家庭訪問」と職員室に貼ってあるんだとか。本当に? 横浜市教委の出している保護者向け不登校パンフレットの中身と矛盾しない?