■急に寒くなった。いや、これで平年並みか。これまでが暑すぎた。黒岳で初雪の報せ。頼まなくても季節は変わって着実に冬は近づいてくる。
■利用者のひとりが蕎麦好きで、訪問の時間にときどき一緒に食べに行く。もう成人してアルバイトだが働いており、バイトリーダーになってそれなりに稼いでいる。このあいだは大盛りせいろ800円也を二枚たいらげた。昼飯に1600円は豪気だなと思ったけれど、自分の稼いだ金で自分の好きなものを食って誰に文句を言われる筋合いもない。人を「消費者」に固定する社会はよくないが、消費の楽しみや、金をつかうことで生まれる自尊心だってある。「バカなことに金つかっちゃったな」という後悔は、ムダ遣いしなくちゃできない。楽しむのもムダにするのも全部経験だ。
■もう4年くらいのつきあいになるか。最近、「自分の人生だから、自分がやりたいと思うことをやってみようと思う」と言い出した。それで失敗するかもしれないけれど、それでもかまわないと。間違いをおそれ、おそれすぎて身動き取れなくなっていたころもあったのに、びっくりするような変化だ。
■でも、本人のなかではごく自然な流れなのかもしれない。ほっといても季節が変わるように。人は、桜だったり紅葉だったり初雪だったりで季節の移り変わりに気づくから、急に変化した気になるだけで。