漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

おなじにおい

■クラスジャパンプロジェクト続報。日本全国の不登校者全員を通学していた学校に戻すとしたミッションをサイトから削除した。一方で「学校復帰プロジェクト」の看板は掲げたままなので、姿勢が変わったわけではない。批判が集中した部分を隠したにすぎない。

■いまから12年前、「Future Harbor」なる団体があった。若年無業者は全国に52万人。親が死んだら子はどうなる。ホームレスか自殺か餓死か凶悪犯罪者が関の山。お子さんをそうはさせたくはないですよねとサイトで畳みかけ、「社会復帰のお手伝い」を買って出た。批判が殺到したのか、その後すぐにサイトは閉鎖。ほっと胸をなでおろしたが、長期欠席者は全国に20万人、子供の数は減っているのに不登校は増えている、不登校増は無職者人口の増加に直結すると「学校復帰のサポート」を謳うクラスジャパンに、Future Harborとおなじにおいを感じる。

■もっともクラスジャパンはFuture Harborなんかよりもっと大きな団体で、ミッションこそ取り下げたが、活動は継続している。役員にはベネッセや角川ドワンゴ学園などの関係者が名を連ね、NPO法人D×P代表の今井紀明氏もいる。子供や保護者ではなく、自治体相手の仕事だから、「学校復帰」にとびつくところは出てくるだろう。プレッシャーの道具を売って歩いて、子供のことを考えていますみたいな顔をされても困ってしまう。

■「人材不足、年金問題、所得格差は子供教育で解決できる」とか、子供は日本経済浮揚の道具じゃないし。不登校が「大人全員が積極的に子ども教育に関わり、子どもを教育するスタイルを築く」も単純に気持ち悪い。「大人全員」が「子どもを教育する」。ホラーだろ。ということで、しばらくチェックしていきます。北海道で一番に手を挙げる自治体はどこだ。