漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

次の武器

■仕事柄、居場所とはなにかいつも考えている。思うに、誰か人がいればそこが居場所になる。「居場所がない」と感じるのは、まわりの流れに乗れていないと感じるときだから、少し外れたところにいるのがいい。そうすれば隙間ができて、居場所の余地が生まれる。

■個人的な活動ならそれでもいいのだが、事業として進めるのなら、外れにたたずんでいるだけでは忘れられてしまう。続けるための工夫がいる。土曜日、「居場所イノベーション・フォーラム」なるシンポジウムを聴いてきた。「居場所」を「イノベーション」する、つまり新機軸を打ち出したり、別のなにかと結びついて新しい価値を生み出したりするということだ。

■帯広の川に学ぶ体験活動協議会は、川遊びを通して環境保護や安全意識、川づくりへの参加を促している。転機は旅行代理店とのつながりで、団体からすれば無謀と思える「夜の川下り」や「冬の川遊び」というプランを打診される。試行錯誤の末、実施したところ、広くメディアに取り上げられ、「販売できる事業」となった。

■東京のあばれんぼキャンプは、活動を逐一分析し理論化。ブラッシュアップを続けることで、これまた「販売できる事業」にまで磨き上げた。

漂流教室は、いまのところ、外れに立っているだけだ。もともとかなり変わった位置に立ったことと、たまに場所を移動しているせいで忘れられないでいるが、販売できるものはまだ持っていない。外からのむちゃ振りに応えるか、内部で磨きに磨くか、設立15年にあたりいい加減、次の武器を持ちたいところだ。それはなんだ。(1/23夜)