漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

本州視察報告その1

■11月15・16日は、子供健全育成支援事業に携わる道内の団体と提携して行っている、若者主体の自立支援創造事業の一環で、京都の山科醍醐こどものひろば豊中市若者サポートセステーション箕面市暮らしづくりネットワーク北芝に行ってきました。

■この事業は、子供健全育成支援事業で関わっているのが中高生であるのに対し、高卒以降の生活に困窮する若者が主体的に自立していくための支援を考えようというものです。大きな特徴としては、当事者参加があることです。今回の視察も、漂流教室を中学生の時に使っていて、今はスタッフとして関わってくれている若者に同行してもらいました。彼もそうした若者の一人です。

■山科醍醐こどものひろばは、母体であった子供劇場がバブル崩壊後に貧困等生活困難な家庭の関わりが増えたところから、子供の貧困に対する事業を始めたそうです。現在でも、事業全体の1/3程度が支援事業であるとのこと。こうした事業をしている団体の中で、収入源がきちんとあるところは中々ない。もちろん、こどものひろばは貧困対策のために他の事業を考えたわけではないけれど、収益事業をしっかり考えるのはいいかもしれない。

豊中市若者サポートステーションは、モデル事業として若者を個人的に支えていくパーソナルサポート事業が政府からの支援が無くなった後も、個別対応を行うためにサポステをやろうと決めたそうです。上のリンクで「暮らし再建パーソナルサポートセンター」というページに飛べますが、それが同事業の発展型です。ちなみに若者サポートステーションは厚生労働省から、就労支援を中心とするのが旨なので引きこもりや発達障害への対応などはしないで良いと言われているとのこと。自主的に調べた若者の実態調査では、利用する相当数の若者に福祉・医療的関わりが必要であるとわかっても、それは変わらないようです。

◆暮らしづくりネットワーク北芝は、今年初めにまじくるで行ったところ。金曜日の夕方に移動してついてから歓迎会。まじくるで会った人たちとも再会して、楽しく鍋を囲みました。土曜日には、この事業の中心として自立に必要な諸条件について会議をしました。ここで同行したスタッフの発言が貴重なアイディアをもたらしました。自立に必要なのは、ホームとなる場所だけではなく、アウェイと如何に関わるかだと思うとのこと。「居場所」というは、アウェイ感を自然に入力するものではないかとも。

■こういう話をするたびに、漂流教室をやっていて感じる「居時間」の重要性というものが出てきます。さらに、「居場所」「居時間」で何をしているのかという「内容」が、自立の基盤を作るのではないか、という話にまで展開したところで時間切れ。今後は、さらに話をして年度末にまとまる予定。どうやらスタッフが原稿を頼まれるらしく、今から戦々恐々としてるみたいです。こちらとしては楽しみなのだが。