漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

児童文学は愉し

余市への行き帰りの車中で児童文学の話になった。俺は正しい少年だったので、『宝島』で冒険を学び『トム・ソーヤーの冒険』で自由を学び『モヒカン族の最期』で抵抗を学んだ。『アンクル・トムの小屋』で差別を学び『クオレ』で敬意を学んだ。

■ほかに、世の中にはジンとラムとウォッカとコニャックとテキーラという酒があることも学んだ。注釈にはどれも「強いお酒」としか書かれておらず、酒の飲めない相馬少年は、果たしてどれが一番強いのかとアルコール最強決定戦を空想していたのだが、大人になったいま思うのは、あのね、どれもうまい。世の中、強さだけではないのです。

■読んだのはもっぱら『国際版世界少年少女文学全集』という25巻セットの全集で、全ページにフルカラーの挿絵がついていた。平仮名も多く、小学校低学年向けのものだったんじゃないかと思う。ただ、収録作品がちょっと変わっていた。小学生に『デビッド・カッパーフィールド』を読ませるかな。『ベン・ハー』とか。らい病とは何だと震えた記憶がある。

■調べると、1960年代にイタリアで出版されたものの翻訳らしい。確かに挿絵も全て外国人の手によるものだった。油絵のようなリアルな絵で、これまた強烈に印象に残っている。要はあまり子供っぽくなかったのだ。

■売ったかあげたかしたのだろう。手元にはもうない。思い返したら読みたくなった。いま読んだら虐待や児童労働で発見がありそう。古本屋を探そうかな。買って漂着教室に置こうか。

■本といえば、漂着教室の隣の北海道ブックシェアリングが事務所内に小さな図書室を開くんだそうだ。オープンしたら、一緒に図書開放でもしようかと企んでいる。飛んでけ! 車いすの会に喫茶スペースをお願いしてみようかな。