漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

和解する

よしながふみの『きのう何食べた?』がずっと苦手だった。せっかくおいしいもの食べてるんだから、もっと楽しそうにしたらいいのに、としか思えなくて。それが、一年くらい前かな、急に気にならなくなった。そのとき読んでいた回に、心打つセリフがあったのです。どんなセリフだったかは忘れた。もうそれは大したことではない。作品と和解できたということが大事。今は毎週読んでいる。楽しそうでもそうじゃなくても、もういい。

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

きのう何食べた?(1) (モーニング KC)

■人でも作品でも、ある日突然和解する、ということがある。ほんの些細なこと、思いもしなかったようなことで。だから、気に入らないものは気に入らないままでいい。ときどき見て、ああまだ和解できないな、とひとり思っていればいい。和解したくない、ということだってあるし。

■大事なのは「和解」という言葉で考えてみること。今は仲良くできないけど、本当は仲良くしてもいいんだけどな、という気持ちがほの見えるでしょう。納得いかないから距離は置くが、居ること自体は構わない、みたいな。この言葉は山本夏彦の本で知った。山本夏彦がどういう心持ちで使ってたかは知らない。

■拒絶しちゃうと、心変わりに気づいても翻意できなくなったりする。拒絶という言葉が強すぎて。だから、まだ和解してないと言う。変化の余地を含んだ言葉は自分も周りも楽にする。

■で、改めて読み返せば、よしながふみのマンガはすごく面白くて、和解してよかったなと心から思うのです。『大奥』はあまりの面白さに4巻まで読んだところで一旦保留。読むなら何冊分かいっぺんに読みたい。映画化ドラマ化ということだし、そろそろ解禁しようかな。コミックも買っちゃおうかな、全巻ババーンと。ところで今は何代将軍の頃なの?

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

余市の訪問がなくなって事務所で仕事中。夜は部屋が寒くなってきたなー。ストーブをいつ点けようか。