■料理を覚える時に、レシピを用意して一から順にやって行くことがあるが、あれは人によっては大変なこともあるなと思う。一つ一つの手順にこだわり過ぎたり、注意力・集中力が続かない人の場合だと、手順よりも簡潔な全体像を頭に入れてそれを実行する方がうまくいくこともあるのではないか。
■「料理物語」という江戸時代初期の料理本がある。その中にある「しゃうじのいりさけの事(精進の煎り酒)」はこんな具合だ。
とうふを でんかく程に あぶりて むめほしと ほし大こん きさみ入 ふるさけにてせんし申也 口伝色々
(豆腐を田楽にする位に炙ってから、梅干と切干大根を刻んで入れて、一年くらい経っている酒で煎じる)
分量とか時間は何も書いてないが、全体像は見える。用意するものも、ここから考えて用意できる。これくらいの文なら、ワーキングメモリがかなり少なくてもなんとかなる気がする。
■それにしても、これは旨そうだな。精進出汁な感じで、これに野菜を付けて食うのは素敵だろう。長いもを細く切ったやつをこれで…。