漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

2010年合同教育研究集会

■山田が参加したのは、またまた「子ども・青年の発達と教育」の分科会。今年の分科会を一言で言うなら「みんな話しを聞いてほしい」。

■親も子供も教師も、話を聞いてほしくて色々なこを試している。親が教師に対してきつくあたるのも、子供が「しね」というような乱暴な言葉を使うのも、教師が子供や親と一生懸命語り合おうとするのも、みんなそう。では、何故一生懸命にならねばいけない状況が生まれているのか。そこを振り返ることができる場がこの分科会であると思ったのだけど、そこはエピソードへの共感で終わりになっていたと思う。「聞いてもらえる」という信頼を生み出さない人との関わりばかりなのは何故だろう、と思う。

■がっかりしたことが一つ。漂流教室を使っている人も通うYMCA専門学校からの事例発表があった。発達障害を持つ人たちのソーシャルスキルレーニングや就労支援、卒業後の支援までトータルにやっている専門学校で、こうした支援に関わる人たちの中では結構有名だと思っていた。しかし、発表後に共同研究者たちから次々に「初めて知りました」というような発言が出てきた。当然知っているだろうと思った人たちですらこうでは、他の人たちは推して知るべし。フリースクールなんか歯牙にもかけられていないのかも知れない。自由が丘の亀貝さんはフリースクールの実践が教育関係者になかなか浸透しないことを嘆いているが、その気持ちを改めて理解した。